今回は競馬の話じゃない。題材にはするけど。
ダービー記事のヤフコメに、こんなのがあった。
1、「横山典弘はド下手だ！」
2、「あれがなければ（マイラプソディ）3着はあった」
何をか言わんやだが、横山典弘騎手の騎乗とは ー ゼッケン14番、橙帽・白い勝負服にご注目ください。
https://youtu.be/IhEX_AByG3A
ご覧のとおり、向こう正面でするする前に取りついた。
1、については措く。俺は決して下手じゃないと思うが、コメ主はそう思ったんでしょう。
問題は、2。彼ないし彼女がいう「あれ」とは、そもそも何を指しているのか。
スタート直後に好位を取りに行かなかった事を指すのなら、わからんでもない。後ろからじゃ切れる脚もないし。
だが、道中するする動いた事を指すのなら、論外。彼はスローペースを体感したから前に取りついたので。あのまま後方待機で終わるなら、せめて「あるべき位置」を取りにいったと見るのが正解。や、誰がどう見たってそうでしょう。
着順はあくまで「結果」に過ぎない。 ブルーインパルスの河野太郎みたく「プロセスはどうでもいい」なんてことはあり得ない。まして1,000m通過が61秒7というスローペースで、鬼脚もない馬が、後方待機でどうして3着に来れるのさ。
もし横山典弘を責めるなら、「なぜ最初から好位を取らなかった！」であって、動いたことでは断じて、ない。
※注: 俺は横山ノリのファンでも何でもありません。好きでも嫌いでもないです。
どこの誰とも知らない奴のコメントに、ただ難癖をつけているのじゃなく。ここからが本題。
俺は競馬に限らず、ネット上の書き込みを見ていて、つくづく思う。「なぜこんなにバカが多いのか」と。たぶん ー あくまでも�爐燭屬鶚爐世� ー 考えることが苦手、ないしは「できない」のではないか。
競馬にせよ政治家評にせよ、情報の受け取り方（リテラシー）が必要だ。分析能力も。
こと政治や社会のあれこれは、マスゴミが悪い！ と言って済む問題じゃない。民主主義国においては自らの首を絞めるし、時には人を殺すから。
教育関連職（学校教師や塾講師）の友人たちは「今の子どもたちは文章読解力がない。数学でも質問の意図を読みとれないから云々」と異口同音に嘆く。しかしこれは、大人も同じではないか。いや、むしろ「大人がそうだから」と断じて良いかもしれない。
記事の見出しだけで脊髄反射するなど論外だが、ツイッター以上の字数ワード数になるとお手上げ。では小説なら良いかというと、ひたすらストーリーを追い、あるいは感動を求めるから、行間を読みとれない。ましてやサブテキストなど夢のまた夢。
評論（といっても呉智英とか浅羽通明じゃないよ）を読めとは言わんが、まず読めないだろう。
ことは大学を出たか出ないかではなく、もっぱらリテラシーの問題。巷間いわれる「野党はだらしない」「代わりがいない」「野党は貧乏臭いから嫌い」・・・ほう、左様ですか。
じゃ、あなたたち。このコロナ騒ぎでの@10万円給付にせよ、野党の提案だって当然知ってるよね、データとして。また、代わりがいないも何も、猿が新幹線を運転していたら、まず猿を引きずり下ろすのが先でしょう。
「貧乏臭いから嫌い」。貧乏臭いかどうかは兎も角、そして好き嫌いは個人の勝手だけど、そんな「感覚」で、まさか投票してないよね。しないよりはマシだけど。
俺は何も、与党支持・野党支持云々を問うているのではない。横山典弘騎手を好きでも嫌いでもないように、多くの政党については好きでも嫌いでもないし。維新とN国以外は。
問題にしているのは専らリテラシー。猿を猿とも認識できない認知の歪みは、みんなに迷惑かけるから。競馬なら誕生日で買ったところで誰にも迷惑かけないが、投票行動や、ネットをはじめ公の場での言説は、相応の責任を負う。自らにおいてのみならず他に対しても。
そもそも�犖�苦しい書き込みは不快であるから迷惑だ�爐箸いΔ里發△襪掘�感覚で投票されたら大いに迷惑する。やめてくれる？ そういうの。
俺はそんなことで何人ものブロ友を切ったわけだが・・・ともあれ。
競馬や昨今話題の麻雀は知的ゲームであり、こと前者は上に書いた「リテラシー」を要する。データの読み込み、陣営コメントの文意把握、馬に対する審美眼・・・真面目にやろうとすれば、しなきゃならない事は膨大だ。
競馬なんかやってもやらなくてもよいけど、例えば政治はそうはいかない。我々は、政治からは逃れられないが、それはあたかも自分自身から逃れられないのと同断だ。
自ら立候補せず、デモをしなくても。投票に行かなくても、必ずそれは我が身に跳ね返ってくる。このコロナ禍で、それがより明らかになったと思う。
では、リテラシーを醸成するにはどうすれば良いのか。
いろいろ手立てはあるが、ひとつは本を読むこと。一見矛盾するようだが政治向きのじゃなく、できれば文学（小説じゃない）、できれば長いものを。
ドストエフスキー「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」、バルガス・リョサ「緑の家」「世界終末戦争」、漱石・鷗外のあれこれ、ディケンズ「二都物語」「大いなる遺産」・・・人類史上の名作と評価の定まったものを。
とはいえ、忙しい現代人。そんな時間もパワーもないという向きは、あっ。ちゃっちゃと分かりたい言うて「5分でわかるシリーズ」なんてやめましょう。だったらハナから読まない方がマシです。
忙しい向きは、ー 大真面目に言うのだが ー 競馬をやりましょう。賭けなくていいから。
たしかに、競馬をやっても冒頭みたいな阿呆はごまんといる。ただし連中は、よほど知能に・・・つまりアレな人々で、猿。
たまに、ひとレース。未勝利でもG1でもよいが、G1の方が情報量は圧倒的。データから文章から、読み込み分析してみる。結果は時間が来ればすぐ出るので、自分の予想と突き合わせ。はあ、これは私の読みが甘かったわ。なんて。
いっその事、「誰が総理にふさわしいか」（東京芝2,400m・G1）なんてやってみたらどうだろう。新聞作って。
例えば
・1枠 安倍晋三（自民）
・2枠 吉村洋文（維新）
・3枠 小池百合子（都ファ）
・4枠 志位和夫（共産）
・5枠 橋下徹（無所属）
・6枠 枝野幸男（立憲）
・7枠 石破茂（自民）
・8枠 山本太郎（れいわ ）
※「志位は3枠（赤）、小池は6枠（緑）だろう！」 なんてツッコミはお預けね♪
※「人間を競馬に例えるな！」とかいう阿呆は、もっとお断り。
馬柱には上から（横組なら右から）時系列で、経歴・実績・発言等をはめ込む。得意分野も。
欄外は厩舎コメントというわけにはいかないから、記者の論評を各人ごとに。一般紙はそれぞれ色があるから、これを競馬記者に書かせる。デスクはこう厳命する。
「好き嫌い、支持不支持を一切脳内から駆逐せよ。いつもの仕事（競馬）と同じように書け」
もちろん実績や発言歴も、主観を拝し事実のみを淡々とはめ込む。実績なかったりして。
本紙に記者の印は不要。読者が記入できる欄のみ設けておく。
ただし首相選挙は実際には、ない。あるのは各党内での総裁・代表選なので、党員以外の国民は関われない。
じゃ、地方自治体の首長選挙でやってみますか。大阪の吉村なら、その馬柱もとい人柱（笑）は、
75年大阪府生まれ→生野高校・98年九大法学部卒・同年司法試験合格、00年弁護士登録→ 武富士スラップ訴訟（※）で武富士側弁護人 → 11年大阪市議（維新）→ 以下省略
※武富士スラップ訴訟についてはこちら。
https://blogos.com/article/359743/
そして小池百合子の場合、カイロ大学卒を「」で括るか、�犲�称�爐汎�れなければならない事は言うまでもない。
首長選挙なら公約や出馬コメント（陣営コメントに相当）も入れるので、まあ見開き4ページですかね。
ぺらっと配布される選挙公報なんかじゃなく、こういうのがあれば便利だが、一方これらを有権者は、徹底的に分析し読み込まねばならない。
それは競馬と同じく権利じゃあるが、競馬と違うのは「義務」である点。民主主義国の一員であり、かつ個人としての。
どない？
つーかさ。もうやめてくれないかなあ、いつまでもバカでいるのは。
迷惑だから。
ログインしてコメントを確認・投稿する