今週はダービー・ウイーク。しからば特集号（笑）で3回くらい（くらい・笑）に分けてお送りします。
ダービーといえば有馬記念と並ぶ1大祭典で、ふだん馬券を買わない向きも参戦したり。
後者は年末ということもあり、どこかもの悲しさ・哀愁漂うのに対して、ダービーはほれご覧のとおり。初夏・燦々たる時期に行われるから、むしろ潑剌。
また、有馬記念は古馬混合。いっぽうダービーは若さ溢るる3歳限定といふのも、そのテイストが異なる所以だろう。
1年間に生まれるサラブレッドは約1万頭。そのうちダービーに出られるのは18頭・・・なんて話はしない。それなら桜花賞でも皐月賞でも、あるいは菊花賞でも同じだし。
ただダービーが特別たるは、ー 実際は競馬をやっていくうちに判るようになるが ー 若さがちょうど絶頂に達しようとする、まさにその事に関係するのではないか。
人間でいえば高校生の若駒、18騎が凌ぎを削るその姿は、先頃中止が決まった夏の甲子園大会に似ていなくもない。
◆95年、音速の末脚。
https://youtu.be/23hIxrqI9Xc
先日、こんなものを書いた。コーマック・マッカーシー『ブラッド・メリディアン』の紹介。
https://blog.ameba.jp/ucs/entry/srventryupdateinput.do?id=12598070575
ブラッド・メリディアンとは“血の子午線�爐箸いΠ嫐�。無毛で巨人、ダンスとフィドルの名手「判事」はこう言う。
「この世界のあり方は花が咲いて散って枯れるというものだが人間に関しては衰えというものがなく生命力の発現が最高潮に達する正午が夜の始まりの合図となる。人間の霊はその達成の頂点で燃え尽きる。人間の絶頂（メリディアン）は同時に黄昏でもあるんだ」
馬も同じではないか。絶頂が同時に黄昏であるからこそ、ダービーは「祭」なのではないか。
年老いたオッサンは、そう思ったりもするのだ。
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