奥田英朗という作家に『田舎でロックンロール』というエッセイがある。
彼は俺より少し上かな。岐阜の産で、少年時代のロック体験を記した、これは名著。ある意味。
※坊主頭でチャリンコ乗って、しかしGパンが裾広がりな装丁が、まさにワタクシども。
御同様に自分も福岡の田舎でロックンロールざんまい。いかんせん田舎だから情報源は専らラジオで、旬のアルバムを友人と貸し借りしながら知見を蓄えた。
そんな青少年が、70年代までは全国にいただろう。おお、友だち♪
奥田氏のや城山隆『僕らのヤング・ミュージック・ショー 』は、こんな当時の我々の事情を明らかにし、余り無い。
レッド・ツェッペリンにKISS、ストーンズにバンド、イエス、ピンクフロイド、クリムゾン・・・デヴィッド・ボウイ、果てはジミー・クリフだのボブ・マーリーだの。なんでそんなものをクソど田舎の少年少女が知っているかといえば。
飢えてたのですね。
だって、何にもないんだもん。いくら教師たちが「性欲はスポーツで発散せい!」とか言ったって。
※帰省した時、故郷で車転がしていたら、弟がふと「これじゃ族にもなるわな」。彼自身、族だったのだが歳行って、改めてそう述懐したもの。
しかし奥田氏は私どもより幾分金があったようで、かなりライブ(当時はコンサートち言いよりました)に行ったような。また、パンクに対する評価の低さが、彼のスノッブたると限界を表している。そう言ったら言い過ぎだろうか。
だってレコード1枚買うにも必死に新聞配達するしかなかったんだもん。俺たち筑豊モンは。
それはさておき、パンクこそロックンロールの粋なんだよね。だって「異議申し立て」※だし「叛」だし。「反対するなら対案を出せ!」ほど低脳な、頭の悪いことは実はない。ただただ異論を唱え、あるいは現状を破壊せむとすることこそ、ロックのロックたる所以なので。
※「異議申し立て」こそ民主主義の基本です。ルソーやジョン・ロックを一読あれ。
じじつ、クソ田舎の現状を、俺らは当時も今も破壊できてはいない。だから何?
こと若者のそんな衝動こそ貴重であり、いわば特権であり、そして俺らには受け止めてくれるロックがあった。
いっぽう今の若者には?
そして俺らロートルには?
暴力はいけない(笑)が、破壊衝動はむしろ大切にすべき。それが改革や、そもそも懐疑の原点となるから。
セックスピストルズ ー Pretty Vacant
https://youtu.be/R6GDdKrQ8EI
彼もまたロックの人。
ショーケン ー ホワイト&ブルー
https://youtu.be/wvRNkcJrP9U
とか何とか言いながら。
ボクはプログレも大好き♪ ELP。
Emerson,Lake and Palmer ー ムソルグスキー『展覧会の絵』より
https://youtu.be/cUal4MKFvPk
ログインしてコメントを確認・投稿する