白と黒

■米警官が拘束の黒人死亡、抗議拡大　一部暴徒化、略奪も
(朝日新聞デジタル - 05月29日 10:14)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6099819


ミネソタ州の高校出身なので
Facebook にたくさん
ミネソタ州の友だちがいます。

みんなこのニュースを取り上げて
ほぼほぼ全員が憤っています。


だから
Facebook ではとても言えないんですけども。






CNN.com や ABC News で見る限り
警察官たちに行きすぎた暴力があったことは
まず間違いなさそうでした。

街角の防犯カメラと
いろんな人たちが撮ったスマホ動画を
まとめた映像があるんですけどね。

冷静に眺めるのは
ちょっと無理です。

すでに手錠をかけた被害者を
路上に寝かせた状態にし
その首を自らの膝で4分間
体重をかけて押さえつけて
「息ができない」という訴えかけが
15回以上あったにも関わらず
死に至るまで緩めなかったわけですから。

関与した4人の警察官は
速攻で解雇されたそうで。

それにはあたしも納得なんですよ。




ただ。



"白人警察官" と "黒人男性"。

"白人警察官" と "黒人男性"。

"白人警察官" と "黒人男性"。



人種差別の悪について。
人種差別の悲劇について。
あたしたち自身の
変えていかなければいけない
人種差別の意識について。

あたしの友人たちも
とにかくそこが焦点で
「差別をなくそう」的な投稿だらけ。

でもあたしは
どうもそこが腑に落ちないんですよねえ。






たとえば。

あたしが買い物途中に
スーパーの中ですれ違った同年代の女性を
突然思い切り引っ叩いて
馬乗りになって引っ掻いて
怪我をさせたとするじゃないですか。

それはダメなことです。

法的にも
社会的にも
人道的にもNGです。

でもそれって
日本人にやっても
黒人にやっても
NG度合いは同じだと思うんですよ。


日本人相手にしたら
あたしはただの
クレイジーな暴力主義者で。

黒人相手にしたら
あたしは
クレイジーな暴力主義者であり
かつ
人種差別主義者になるんでしょうか？



あたしはもちろん
スーパーでいきなり女性を殴りたくなるとか
これまでに経験はありませんけど
もし何かのきっかけで
そんなとんでもないことをやらかしたとして。

相手は誰でもよくて
無差別な衝動だったのに
「黒人だったからでしょ！」
って責められたら
きっとびっくりします。


「暴力はダメでしょ！」なら
なんの言葉も返せませんけどね？

「差別はダメでしょ！」は
いやいやいやって。


その偏見は
あたしの中にあるんじゃなくて
あなたの中にあるのでは？と
そこは言い返したくなると思う。





実際のところ
ミネソタ州は人種差別の強い州だと思います。

合衆国の北部は
北欧からの移民の末裔が多いので
カナダ国境沿いに位置するミネソタ州は
そもそも白人率が高い上に
冬は極寒どころの騒ぎじゃないド田舎のため
海外からの観光客なんて
ほとんど見かけることのない州です。

ですから
黒人もアジア人も
"浮きやすくて住みにくい" 。

それは自身の経験からも否定はしません。


でも。

だからこそ。


「差別をしてはいけない！
　絶対に差別を許してはいけない！」と。

排除しようとするあまりに
人種差別が理由ではないものまで
"人種差別として見てしまう差別" が
生まれやすい傾向にあるんじゃないかなあ。



もし
この事件の警官たちが現場で
「黒人だから死んでもいいだろ」と
笑いながら言っていたとか
日頃からSNSに
黒人をバカにする投稿をしていたとか
そういった事実があるのなら
人種差別を責められるのも納得なんですが。



そこには確かに差別意識が"あった"のか。

それとも。

"あったに決まっている"なのか。


暴力行為そのものより
人種差別が争点になっていいのかどうか。



20年前のミネソタ州で
いわゆる典型的な人種差別も体験しましたが。

それとは別に
アジア人であるがゆえに
過度に庇われたり擁護されたり。

誰かの何気ない言動を
あたし自身はなにも思っていないのに
"差別されたマミィ" を感じ取った人に
"差別されたマミィの気持ち" を
勝手に代弁されたりして。

あれはあれで
お互いの人種差別意識を
助長したような気もするのでね。

人種差別と向き合った時代を
今また
しみじみと振り返っています。