デュポンと言えば、アメリカに亡命して世界一の化学メーカー(塗料などでお世話になっています)を築き上げたフランス人実業家のPaul du Pont(ポール・デュポン)を思い起こします。或いは高級ライターとか。
でもここでは「知る人ぞ知る」超高級アメリカ車のデュポンについて書いてみましょう。
キャディラック(カーグラフィック[CG]誌2007年3月号参照)やアメリカン・アンダースラング(本稿0036参照)、デューセンバーグ(本稿0069参照)、ピアス・アロー、パッカードなどと同列かそれ以上だったとか。
第一次世界大戦中は戦闘機のエンジンを作っていたデュポン社は、1919年にデュポン自動車会社に改組して高級車を生産しましたが、他の多くのメーカーと同様に世界大恐慌の影響で1931年に倒産、バイクのインディアンに買収されてしまいます。そしてデュポン・ブランドは消えてしまいました。
モデルAからHまでありましたが超がつく高級車でしたので総生産台数は僅か537台。数十〜数百万台が当たり前のアメリカ車としては例外的に少ないです。537台のうち生き残っているのは35台と言われています。
クルマの構造は極めてオーソドックスで、フロントに搭載された4.6〜5.3リットルのエンジンが4速ギヤボックスを介してリジッドの後輪を駆動しました。
しかし室内はこの上なく高級で、フカフカの高級オーストリッチ(ダチョウ)皮革のシート、ウォールナット(クルミ)の美しい節がある根の部分をふんだんに使ったダッシュボードやドアのキャッピング、シルクの絨毯などが富裕層の心をくすぐりました。ボディは2座ロードスターから7人乗りのリムジンまで様々で、顧客が指定するコーチビルダーの手になる特製でした。
情報が少なくて苦労します。こんなマイナーなクルマ選ばなけれなよかった。たまたま古い書籍をパラパラめくっていて目についちゃったんですわ。
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