mixiユーザー(id:975494)

2020年05月08日19:05

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煮物

 ネットニュースで見かけてていたから発売日も知っていたけど、基本的には触れない方向だったのだが、やっぱり買ってしまったのである。
 ちなみに読了前の途中感想文である。

  「渡辺錠太郎伝」 岩井秀一郎
 現在、半分くらいまで読んでの感想であるが、矢張り、素人の筆だからであろうか、個人の感想染みた文章といった感じで、何とも煮え切らない内容である。
 史学者の、史実を徹底的に突き詰めていく内容でも無ければ、文学者による伝記文学のような、人物の魅力を伝えるような内容でもない。
 ただ、渡辺錠太郎を本格的に取り上げた文献は稀少であり、顕彰会関係者による文書の他には幾つか出回っているようであるが、何れも非常に古い代物であり、取り敢えず手にできる、比較的新しい史料としては価値があると云える。
 例えば、巻末の渡辺大将に関わる文献リストは参考にする事ができるし、渡辺大将の著作である「近代ノ戦争ニ於ケル軍事ト政策トノ関係」等は存在自体知らなかった私からすれば興味深いトコロである。
 ちなみにこの本、国会図書館のアーカイブスに登録されているので、全文を参照する事が可能となっている(PDFデータのダウンロード可能なのは凄いナ)。
 きちっと最後まで読んでの感想は書かないといけないと思ってはいる、現状では駄目出しばかりだからナァ……。
 ただ、前半ハイライトの、山県有朋に気に入られていたが、結局、派閥に乗って出世街道に入らなかった事について、単純に渡辺の性向にのみ理由を求めて終わらせているのは気に喰わないトコロであった。
 史料が少ない、或いは、無いのは承知の上で、そこは、様々な可能性を指摘すべきではなかったのか? と思う。
 とかく、不徹底で煮え切らないのである。
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