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2020年04月04日22:41

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献血

 岡山に帰還して暫くが経って、先日から仕事にも復帰した。
 それで仕事明けに、ふらりと買い物に出かけて、何となく倉敷まで足が伸びたのである。
 ここ数年、赴任地の事情から長らく市内の丸善ばかりを利用していたが、今回の赴任地にあっては倉敷イオンの紀伊國屋書店の方が勝手がよい。
 そして、先日までの出向先である福島県、そしていわき市の周辺に満足のいく書店がなかったので、久しぶりに大きな書店で本棚の間を睨み付けつつ歩いて来た。

 屡々、海外に住まう人が日本食に焦がれると聞くし、嘗ては福沢翁が西洋旅案内に於いても警鐘を鳴らしている通り、日常にあったモノが突然、はたと無くなるというのは思う以上に心の平穏に影響を与えるようである。
 ナンの話しかと云うと、詰まりは数ヶ月ぶりにスゲーすっきりした、という話し。
 判らぬ人には判らぬであろうが、大きな書店で様々なジャンルの本を眺めて歩き、面白そうなタイトルを探し出して回り、良さげなモノ、良いモノを見つけるのは読書子の最も悦ばしいとするところではないであろうかと思う。

 それで食事の味も同じ日本国内の事柄である以上は、東北地方も然したる違いもあるまいと高を括っていたらやっぱり、微細な違いで思ったよりもストレスが貯まっていたようでもあった。
 こういった事柄も含めて、今回の本屋歩きは、何となく地元、岡山に戻ってきた、という事実を肌で感じるきっかけとなったのかも知れない。

 と、仰々しく書いたものの、詰まりは本を買ってきた。
 実際は別の用件で店を巡っていて、近くまで行ったのでイオンに立ち寄ったに過ぎず、紀伊國屋も冷やかす程度と考えていて、結局1時間くらいかけてじっくり歩くのだから世話もなしと云うべきか。

  日本陸軍の軍事演習と地域社会  中野良 著
 毎度お馴染み吉川弘文堂、だから思いつきで買い込む本の値段ではないのだが、この類いの本をポンと置いている店というのは実に貴重なのである。
 当時の軍隊にまつわる社会情勢に関わる本となれば中々に面白そうであるし、この題名だけで、高宮太平が真崎から聞いた東條評を思い出した。
 興味深い題名であり、早速読み通したいと思っている(ぶっちゃけこの類いの本に飢えているのが実相と云うべきか)。


  満州事変  緒方貞子 著
 ぶっちゃけ著者買いした本である。
 と云っても、この女史の業績について、私の知識が詳らかとは云い難いのも事実。
 まぁミーハーと指摘されれば返す言葉もない。
 そういえば秦郁彦教授が某書で、学生時代のゼミか何かで緒方貞子女史が同じ学生として参加していた時に、犬養毅の名前の読みについて調査をして貰った結果、肉親でもわからん、と判明したというエピソードがあったように記憶している。
 私が犬養毅の事を木堂と表記するのは、一応、そういう理由があるようなないような……。
 あ、あと緒方貞子女史の旦那って緒方四十郎氏だったって、先日の訃報で知ったンだよね、それで緒方か……ってネ。


  木戸幸一  川田稔 著
 著者の名前だけで買う場合が屡々あるが、川田さんはそのひとり、私はこの先生を非常に評価している。
 そして実は近代史に於ける重要人物であるにも関わらず、意外な程に関連書籍の少ない木戸である。
 私個人としては非常に鵺的とでも謂うべきか、木戸という男の評価を下しかねているトコロも少なく無く、その状況で、陸軍派閥史に明るいこの先生が本に纏めた、というのは実に興味深い。
 屡々、ソ連のスパイだとか、統制派の一翼で近衛を殺した等の如きを云われる人物である、この先生がどのように書いているか楽しみである。


  ブルボン朝 フランス王朝史3  佐藤賢一 著
 5年くらい前に2が出ていて、なかなか続刊が出てこないとやきもきしていたトコロにようやく本棚に並んでいるのを確認した次第、勿論、反射で手に取った。
 カペー、ヴァロワと続いて、ここからはみんな知ってるブルボン朝、フランス革命がは〜じまるよ〜……である。
 小説家であり研究者でもある筆者の筆は、単純に面白く、読ませる力に満ちあふれているのが常の魅力、今回も存分に読み進めようと思っている。

 あとイオンに献血車が停まっていたので血を抜いてきた。
 よって鉄分補給にほうれん草も買ってきた、明日の朝にでもベーコンとバターで炒めて醤油で味付けするべきかと考えている。
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