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2019年01月16日23:15

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薩摩

 旅の終わりは鰻池から、征韓論に敗れた西郷隆盛が逗留した温泉として知られる。温泉街と呼ぶには鄙びた住宅街、温泉の蒸気を利用したスメと呼ばれる共同竈、西郷が滞在した跡地に建てられた素朴な西郷の石像、小雨降る鰻池は閑かで、西郷の晩年で最も穏やかな日々を思わせる。次に向かうのは番所鼻自然公園、此処から先は南九州市とか。

 伊能忠敬も訪れた景勝地、竜の落とし子の養殖場が近く、それを模した幸せの鐘が売りだが、先に向かうと海岸線をぐるりと回る岩礁、竜宮城への入口との伝説もあり、遠くに映る開聞岳は幻想的。少し進むと釜蓋神社、素戔嗚尊を祀る射楯兵主神社だが、頭に釜の蓋を乗せ参拝すれば願いが叶うとか。裏手の希望の丘からの眺望もなかなか美しい。
 
 南九州市の最後は大野岳公園、百八段の石段は人生に喩えられ、登り切ると茶寿を迎えられるとか。更に昇ると展望台、茶畑と山々と池田湖と。石段を下りると小さな神社、仁王像の一体が廃仏毀釈で頭部を失い、そのまま置かれてるのも珍しい。指宿に戻って池田湖畔で昼食、名物の大鰻が飼われてるけど、心惹かれるのは湖畔に広がる菜の花。

 バスは鹿児島市内に戻り仙巌園、磯庭園と呼ばれてた島津氏の別邸跡で、桜島を築山に錦江湾を池に模した壮大な構え。薩英戦争で破壊され土台しか遺されてないが、反射炉の規模は韮山を凌ぐ。何処から眺めても桜島が美しく、ゆったりと歩いた後に茶店で両棒、此処の名物の御手洗団子、のんびりとした時間が流れ、こんな一瞬が愉しいね。

 島津家の歴史を伝える尚古集成館、代々の先祖を祀る鶴嶺神社、巡ってバスに乗り込み鹿児島市に別れを告げ空港へ。数日間食べ過ぎたか、夕食への欲が薄く、空港内で麺麭を買い求め、飛行機の中でホットドッグ、高田馬場で乗り換えた特急の中でアップルパイ。夕方まで遊んでたのに、日付が変わらぬ前に帰宅、有り難い時代だよね。
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