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2015年10月11日18:02

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蒼穹のファフナーexodus15話 感想・考察

様々な人の思いが交錯した15話。
それぞれの立場、使命を踏まえながら振り返ってみます。


竜宮島のファフナーを回収するため広登は撃たれたようです。
アルゴス小隊のハインツが回収に向かいます。
ハインツ・ビットナーは回覧板では以下のような説明が。
「メカニック上がりのファフナー乗り。生き残る可能性が少しでも高い部隊に入ることが望みで、そのためならば仲間殺しも平然と行う。」

ハインツが伝説の機体をバラすのに積極的だったのは元メカニックだからですね。
竜宮島のファフナーは人類軍のものより技術が上なので機械屋としては興味があるのでしょう。
しかし生き残ることが望みなら何故マカベ因子を受け入れたのでしょうか?
10年程度で死ぬ因子なのに。10年後に死ぬとしてもファフナーの中にいたほうが生存確率が高いと踏んだのでしょうか?
それとも、染色体汚染が発覚する前にパイロットに志願したのか…。


ペルセウス中隊のファフナーは回収対象ではないので容赦なく撃たれています。撃たれたファフナーを引きずって助けようとする機体もあるのが見ていて辛い。

同じく引きずりながらフュンフを回収中のハインツの機体から警告音が鳴るので、人類軍ファフナーには接近する敵を感知できる模様。
やはり竜宮島ファフナーにはその機能は想定されていなかったか…。
またしても腕を破壊される暉。ここで腕を失っても修理できないのが後々響きそうです。

暉をかばって対立するビリーとダスティン。
ダスティンはビリーを助ける気があるようですが、他の隊員には秘密で助けたい様子。
自分のしていることが命令違反だと自覚している上に後ろめたいと思っているのでしょう。


人類軍に攻撃を受けるキャンプ。
オルガが必死に人類軍に攻撃をやめるように呼びかけます。
彼女は元人類軍ファフナーパイロットなので、この状況を何とかしなければと思っているのかもしれません。
かつて自分が竜宮島を占拠したことも脳裏にあったのかも。呼びかけむなしく爆破の衝撃が彼女を襲います。


難民キャンプが人類軍に襲われていることを知り総士が助けに向かいます。
ワームスフィアの応用でどうやら空間跳躍ができるよう。どんどん芸が増えるニヒト。
何かする度に総士がニヒトの名前を呼ぶのがツボに入ってきました。一騎はザインの名前呼んだりしないのに。
総士はファフナーを意思のある別の個体として扱っている気がします。

ニヒトが離脱したのを確認して笑うフェストゥム。人類が同族殺しをすると学習した上にそれを見越して一騎たちをおびき出したようです。
衛星軌道上の何かと交信している様子ですが、なんでしょう?
衛星の残骸が浮いているので敵ではあると思いますが…。


キャンプ地に跳んだニヒトはホーミングレーザーで牽制。通信ジャックして脅迫して人類軍を撤退させます。
総士の台詞回しが変性意識のせいか尊大で上から目線になっています。
「さもなくば」ですか。そうですか。


撤退中に真矢が爆撃機の存在に気づきそれを阻止しようとします。
空中での集中攻撃も超絶マニューバで回避して爆撃機に取り付きます。
ちなみにジーベンのエンジン尾のエフェクトは手描きとデジタルを混ぜてあります。スピード感とキレがあって綺麗です。

「やめて。私たちは同じ人間です!」
真矢の叫びを無表情で聞く爆撃機キャプテン。この人はハワイの爆撃をした人と同一人物です。
表情が微動だにしません。真矢の懇願にも情は揺らいでいないのでしょう。
今回の作画が少し弱いので意図してではないかもしれませんが。

ウォルターは生存者を犠牲にする爆撃にストレスを抱き上官(この人)に逆らって降格された後ペルセウス中隊配属になりました。
人を殺す任務というのは心的ストレスが計り知れなので、爆撃機から降りたウォルターはむしろ幸せなのかもしれません。
このキャプテンが真矢の言葉に心動かされなかったのも分かります。

つまり、ここで真矢の願いを聞き入れれば自分がこれまで殺してきた人々が意味を失う、そういうことではないでしょうか。

大勢の人たちが助けを待っている、沢山の子供たちが必死にがんばってここまで来た、そんなことはこの人は十分に分かっています。
分かった上でこれまで大勢の民間人に、人類のために死んでくれ、と爆弾を落としてきたのだから。
だから今真矢に「分かって!」と叫ばれても眉一つ動かさない。

このキャプテンはある意味、人の命に区別をつけなかった人です。最大多数の最大幸福のため軍人として任務を遂行した人です。
この人にしてみれば、真矢の主張は「自分たちは特別に努力しましたから特別扱いしてください」と聞こえたのかもしれません。

動揺するオペレーターは2つの意味で動揺しています。
1つは経験浅いため真矢の言葉に良心が痛んだことと、真矢の要求を受け入れなければ撃墜されるかもしれないという2点。
その上でキャプテンは淡々と発射指示を出します。

つまり「撃ちたければ撃て」ということです。
自分と爆撃機クルーの命さえ、特別扱いするつもりももはや無かったということでしょう。
誰が死んでもかまわない、という心理にずいぶん以前から陥っていたことが分かります。

逆に真矢は「誰にも死んで欲しくない」と思っているが故に引き金を引いてしまいました。
このことで真矢が命に順位をつけていることが明確になりました。
爆撃機のクルーより難民の命のほうが大事という順位です。つまり身内のほうが大事なんでね。
これは本能的なことで、当たり前の判断です。
頭では「全員を助けたい」と思っていても、どうしても愛情のあるものから助けてしまうものです。これを非難できるのは誰にも特別の愛情を抱いたことの無い人だけでしょう。

幸か不幸か、真矢は難民たちを優先して助けるため爆撃機クルーを殺すだけの暴力を持っていました。
自分たちの意見を通すために相手を暴力で殺す、これを実践してしまったわけです。
これからも真矢は守りたいものが沢山あるのでその力を手放すことは無いでしょう(島に帰らないと言っていますし)。

彼女が自分の判断を正当化するのならば、今後同じ状況に陥ればまた人を殺すことになります。
そうでなければ爆撃機のクルーの死は無意味になってしまいますから。
「遠見の判断は間違っていない」と周りが言えば言うほど、殺人のハードルが下がっていかないか心配です。
そうやって人の命が軽くなるほど自分自身の命も軽くなっていき、最後には爆撃機キャプテンと同じ心理状態になってしまうかもしれません。
それこそが史彦が心配した「一度手にかけてしまえば取り返しがつかない」という状況です。

1期の真矢は「戦いばかりにならないで」と一騎に平和と日常を思い出させるアンカーとしての役割がありましたが、今回は違う役割がありそうです。
このフォローをするのはやはり父親的存在であり人殺しの経験もある溝口でしょう。
だからこそ、自分は溝口の生存が危ぶまれてなりません。

真矢は軍人ではありませんし、一騎のように「皆を守りたい」とまで万人に救済意識があるわけでもありません。
彼女が守りたいのは第一に一騎であり、島にまつわる人々です。
自分たちだけ平和になるほうがずっと楽、でも家族を置いて行けない、それが真矢が戦場にいる理由です。
これから人を手にかけた真矢は「ここにいる理由」を改めて見つけなければいけませんね。


ビリーのペンダントはギリシャ神話の戦女神アテナのコインですかね。
ダスティン絡みなのは分かりますが詳細はまだ不明です。


所かわって人類軍アルゴス小隊のキャンプですが、キースにヘイトが集まる描写になっています。つまり後からキースの善いエピソードがあるということ。
上げて落とすの逆のテクニックです。

彼女については「ハワイ壊滅時に心が壊れた女」と情報が出ています。平素を装っていますがハワイ戦が深いトラウマになっているらしいです。
頼ってくれていい、など以前よりダスティンにベタベタしたがっていますが、それは彼女がダスティンに甘えたいという気持ちの表れでしょう。
たぶん一人では恐怖に耐えられないために、よりかかる相手を欲している感じがします。


北に逃げることにした一行。
シャッター作戦とは初出ですが、フェストゥムにも破られない防壁ってどんなのでしょうか?
「北西に進み大陸消滅後のモンゴル海峡を渡りハバロフスクエリアに向かう」
表示上の地図で行程途中にNew Beijingの文字があります。
新北京ですね。一体どの都市が新北京になったのでしょうか?
「敵のコアを奪えば我々のミールの力でエネルギーに変えることもできる」
初めてそんな設定聞いたんですけど。もしかして人類軍ファフナーのコアってやっぱ敵のコアを強奪してたのでしょうか??
エネルギーに変えられるって便利すぎる設定だけど、本当かなあ…。

エメリーからボレアリオスミールを呼べることを教えられた総士。
コアの形が人型なので操の形になっている可能性大きいです。
しかし、操たちが「一緒に戦って」といったときは協力しなかったのに、今度はこっちから「一緒に戦って」だから、協力してくれるかどうか微妙。
ちょと都合よすぎなお願いかもしれません。
まあ、操家もフェストゥムのなかの竜宮島といっていいほどの引きこもりミールですから、お互い一緒になるのが都合がいいかも。

しかし、総士がひざまずくとこの場面設定、エメリーたちが身長小さすぎだろう…。
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