【 試し切り 5 失敗の原因 】
母の証言を元に羽織を縦に30センチも切った双子の兄。
それも背中・胸・袖まで・・・
それを再現しようと布巾を二枚重ねて吊し切り。
見事に失敗した。。。
失敗の原因を三日間 ・・・ さぐった。
色々考えた。
1.腕がヘボ。
2.得物がナマクラ。
3.ハンガーが吊り下げじゃなくて挟み込み式。
4.切ろうとおもって切ったから ?
何も考えずに簡単に切れる ! と思った。
それが間違いのもと。
据え物切りの技法では ・・・
一万回チャレンジしても不可能 ! と言うことが解った。
ハンガーに吊るした布を縦に切るには
一番先に切っ先が当たらなければ切る事は出来ない。
切っ先三寸を使う据え物切りとはまったく逆。
ところが 【 暖簾に腕押し 】 と言う諺があるように
吊るした布には刃が裁たない。
裁ったところで切っ先を羽織の背中・胸・袖まで貫く事は 〜
不可能と思われた。
しかし母の証言では兄は実際に切った ! と言う。
とても信じることなど ・・・ 出来なかった。
二日の間 ・・・ 悶々としていた。
三日目の朝 ! まどろみの中で母の双子の兄が夢枕にたった。
18歳ぐらいの青年だった。
何も言わない。
しかし ・・・ 手に槍を持っていた。
そう !
佐分利流・槍術が使う長さ一間半・9尺の槍を小脇に抱えていた。
でっ ! 目が覚めた。
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