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2020年04月07日23:23

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3月に観たもの

とにもかくにも新型コロナウイルス感染がどんどん拡大し続けた3月。
私の精神的な糧である劇場公演や美術展も続々と中止、延期。
世界が一気に色を変えていった。
それでもまだしばらくは出かけていたし、
合間をかいくぐって「アナスタシア」が見られたのは幸いだった。
当初は2週間くらい我慢すれば、と思っていたのだけれど、
あとになればなるほど状況は厳しく深刻になっていった。
まさかここまでの事態になるとは。
好きなものを自由に観に行けるのは恵まれたことだったんだと、
しみじみと感じている。
原宿駅旧駅舎や東急東横店も最期を迎え、別れが多くてさみしい。

<映画>
ギンレイホールのこの二本立ては、因習に縛られたアジアの女性を扱った秀作。
両方ともル・シネマでのロードショー当時から気になっていたので、
まとめて観ることが出来てありがたかった。

・第三夫人と髪飾り(ギンレイホール)3月1日
http://crest-inter.co.jp/daisanfujin/
すでに第一夫人、第二夫人のいる富豪の元へ、
十四歳で輿入れするヒロイン。
(ちょっと杉咲花に似てる気がした)
神話的な雰囲気もあり、説明を排した詩的な映像が美しい。
中国辺りならもっと閉鎖的でドロドロな感じになりそうなところ、
エロティックな場面もどこか涼やかな感じがするのは、
風の通る竹林、南国の風景のせいもあるだろうが、
何より女性監督の感性なのだろう。
幼いヒロインを年かさの第一、第二夫人がいじめたりせず、
教え導く様子も良かった。

・あなたの名前を呼べたなら(ギンレイホール)3月1日
http://www.kinenote.com/main/public/cinema/detail.aspx?cinema_id=92306
結婚が破談となった御曹司と、彼に仕える住み込みのメイド。
早く夫と死に別れた若き未亡人であるメイドと、
富裕層である主人とは身分違いだけれど、二人は次第に惹かれてゆく。
今も厳然たる階級社会であるインドでは困難な恋。
でも二人の気持ちや日常の描き方がさりげなく自然で、とても好感が持てた。
途中二か所ほど突然歌が入って、
あ、そうだこれインド映画だった、と今更ながら気づく。
この話の場合、なくても成立するんだけど、
それほど派手でもないし、ちょっと気分転換になるので良。

・エキストロ(シネマカリテ) 3月18日
https://extro.official-movie.com/
エキストラ役者のドキュメンタリーと見せかけながら、
仕込みたっぷり嘘八百の物語。
主な舞台がつくばのワープステーション江戸だから、
耕史磐音のロケ撮影見学に通い詰めた身としては、
その追体験が出来るだけでも万々歳。
この作品がちょっとちゃちだろうがご都合主義だろうがかまわない。
時代劇を撮る耕史くんはまさにあのまんまだったし、
明星真由美さんや高木稟さんも良い味わいで、
小劇場ファンとしても楽しめた。

<ステージ>
・ミュージカル「アナスタシア」(東急シアターオーブ)3月22日、23日、27日
https://www.anastasia-japan2020.jp/index.html   
初日から中止の憂き目に合い、ようやく幕が開いてから三日目でまた中断。
はらはらしながら再開を待ち、奇跡的に3ステージ観ることが出来た。
薄氷を踏むような上演だったけれど、舞台の素敵さは期待以上。
どの役も素晴らしく、曲も美しく、背景も美麗でダイナミック。
今まで舞台で使われる映像は苦手だったのだが、
LEDスクリーンに映し出される背景の奥行きは本当に綺麗で、
一瞬で切り替わるから、場面転換もスムーズでスピーディ。
ダブルキャストのアーニャ、どちらも良かったけれど
木下春香さんの方が皇女らしい感じかな。
リリーは三回とも堀内敬子さんで観た。コケティッシュ。可愛らしい!
耕史グレブはぐっと大きく、表情の変化も歌声も見事としか言いようがない。
そして何よりマリア皇太后の麻実れいさんの存在感が圧倒的だった。
      
<展覧会・イベント>
・いせさきメイセン ―メイセンは二度死ぬ―
(松屋銀座デザインギャラリー1953) 3月21日
http://designcommittee.jp/2020/01/20200226.html

・KOKIN小金哲志絵画展(銀座一穂堂サロン)3月21日
http://www.planup.co.jp/ginza_j.html
たまたま通りかかって入って見た。
漆、アクリル、銀箔など、さまざまな素材で描かれていて、
単純化された花々が琳派を思わせて面白かった。

・六世中村歌右衛門展 ようこそ、歌舞伎の国へ(世田谷文学館)3月28日
https://www.setabun.or.jp/exhibition/exhibition.html
稀有な存在の真女形だった歌右衛門丈の演じて来た役は、
玉三郎さんの役どころとも多く重なっているので、とても興味深い。
私はかなりお年を召してからの舞台しか拝見していないが、
お若い頃の匂いたつようななまめかしい写真には見入ってしまった。
たおやかに見えて果敢な挑戦者。
桜姫も「天守物語」の富姫も、この方の探求心のおかげで
玉三郎さんの舞台につながったのだと改めて感謝。

<散策、お出かけ>
・「ぺドラブランカ」 3月7日
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131712/13115649/
息子夫婦の家に遊びに行き、         
みんなで戸越公園近くのカフェへ。
すごく厚みのあるパンケーキだった。

・小石川植物園  3月20日
https://www.bg.s.u-tokyo.ac.jp/koishikawa/
新しくなった温室に初入室。
とても広く、蘭専門の部屋には定期的に霧が噴射されている。
いろんな種類の桜が綺麗だった。

<読書>
黙々と春樹さんを読み返す。
「ねじまき鳥クロニクル」をもう一度じっくり読んでいたら、
川上未央子さんとの対談集「みみずくは黄昏に飛び立つ」が
また読みたくなって、図書館で文庫版を借りる。
文庫版は昨年末に出たばかりなので、
付録としてまた長めの対談が付いていて嬉しかった。
亡きお父さまについて書かれた「猫を棄てる」のことについても
語っている。

・「めくらやなぎと眠る女−TWENTY-FOUR STORIES−」(新潮社)

・「ねじまき鳥クロニクル」(新潮社)
 第1部 泥棒かささぎ編
 第2部 予言する鳥編
 第3部 鳥刺し男編
            
・「みみずくは黄昏に飛び立つ」文庫版(新潮文庫)

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