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2021年01月16日22:13

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【映画感想】シティハンター THE MOVIE 史上最香のミッション

本日、映画「シティハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」を観たので感想。
字幕版と吹替版のどちらにするか迷ったけど、海坊主の吹替声優が玄田哲章氏だと知った瞬間、吹替一択になった。
ただの「吹替版」ではなく「デラックス吹替版」でちょっと豪華そうだし(笑)。
フランス映画というあまり馴染みのないジャンルだけあって従来のアニメ版との違いに少しだけ違和感があったけど、内容自体はクセがありつつもとても面白かった。

ストーリー的には、凄腕ボディガードでスイーパー(掃除屋)のリョウと相棒のカオリはドミニク・ルテリエという男から嗅いだ相手を惚れさせる香水「キューピッドの香水」を守るよう依頼を受けるけど、依頼の直後に顔馴染みの元傭兵ファルコン(海坊主)が香水を狙って襲撃してくる…という話。
惚れ香水「キューピッドの香水」がストーリー全体で中心になるけど、この惚れ香水の凄い(ヤバイ?)ところは、異性はもちろん、同性、さらには人間以外の動物にでも効くという点で、おかげで映画がかなりカオスなことになってる。
というか、冒頭からして惚れ香水の効果でお馴染みのもっこり男なリョウが依頼人のルテリエ(中年のおっさん)に片思い状態になるというホットスタート。
更に、解毒薬を48時間以内に使用しないと惚れ香水の効果が永続するという設定まであり、依頼だけでなくリョウの個人的な事情からも惚れ香水と解毒薬の奪還が最重要課題に。
また、依頼時の公園に居合わせた掃除夫のパンチョまで惚れ香水の効力でカオリに惚れ、こちらは行く先々でカオリを追うストーカーと化す。
ただ、こうした謎を残しながら時間制限を提示してスピード感を出す導入は上手いと思う。
全体的な雰囲気はギャグが多く、もしかしたら原作よりもギャグ比率が多いくらいかもしれない。
のっけからして全裸のおっさんを挟んでリョウと海坊主の格闘戦という良く分からない状況から始まるし、その後も香水の効力でリョウがルテリエに恋する乙女みたいになったりギャグ面がなかなかにカオス。
というか、惚れ香水というエ〇ゲみたいな代物が出てくるのに、効力を発揮するのが「ウホッ」だのばあちゃんだの対象が尖り過ぎだろ(笑)。
まあ、原作通り美女やセクシーなシーンもそれなりに出てくるけど、肝心のリョウはことあるごとにおっさんの顔が思い浮かぶというもっこりどころじゃない状態だしとにかくギャグの威力が強すぎる。
身も蓋もなく言えば下ネタだけど、アクの強さはなかなかのもの。

アクションはかなりスタイリッシュでクオリティが高いけど、尺が短く感じるのが少し残念。
また、リョウも格闘戦が多いけど、原作のような射撃シーンが少なめなのも気になると言えば気になる。
ただ、中盤の磁石クレーンを使ったアクションや、クライマックスでの2丁拳銃やカオリとのダンスのような銃乱射もあり、この辺は素直にカッコいい。
個人的には、海坊主のキャラが良いのに活躍の機会が少ないのが残念。

調べてみたら、この映画は原作再現度が高いことで評価を受けているっぽいけど、これは確かにかなり高いと思う。
リョウの俳優さんの顔の彫りが深いのは最初気になったけど、衣装はもちろんシリアスとギャグを上手く切り替えられるのはかなり良い。
カオリもハンマーでリョウに制裁を加えようとするし、1シーンだけとはいえあの100tハンマーを出してくるのは感動。
リョウとカオリの互いの愛情を表には出さない微妙な関係も再現されてるし、この辺は本当にうまいと思う。
海坊主やサエコも登場するし、依頼時の掲示板の「XYZ」、背景のカラス等の細かい演出も再現されてるのは凄い。
吹替声優もリョウとカオリが変更になってるけどベテラン声優さんなのでそこまで変な感じはないし、海坊主やサエコ、ヒデユキはアニメ版と同じ声優なのは素晴らしい。
また、アニメ版のリョウ役の神谷明氏とカオリ役の伊倉一恵氏も端役の声を吹替してるのがニクイし、神谷明氏の担当人物に至っては名前が「モッコリー」とかなり狙ってる(笑)。
ただ、頻発するセクシーなネタも原作再現ではあるけど、実写だとアニメ画に比べて受ける印象が大分違うし、そもそも「ウホッ」なネタは原作にあるのかとツッコミたい(笑)。
エンディングでGET WILDが流れるのも「わかってる」感が溢れてるけど、この演出は吹替版限定っぽい。

映画「シティハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」は、馴染みのない演出や展開、クセのあるギャグに戸惑う面はあるものの、全体としては良質な原作付き実写化映画だった。
何より、原作への愛が所々で強く感じられたのが素晴らしく、やはりこういう原作愛に溢れる映画は原作再現をニヤリとしながら見るのが楽しい。
また、今作の原作愛が映画全体を引っ張ってるような感じは、原作の要素を残しつつもアレンジし大資本を投下して映画そのもの面白さや派手さを高めるアメコミ映画と少し違う特徴だと思った。
ただ、逆に言えば原作をアニメや漫画で知ってるかどうかで印象は変わるし、特にアニメ版は少しでも知ってたほうがより面白いと思う。
こういう映画はなかなかに貴重なので、もっと増えてほしいと思う。
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