根本宗子の劇作家四番勝負　ゲスト「山田由梨」編　ちょいまとめ

５月２５日（土）に行われた根本宗子の劇作家四番勝負に行ってきました。
根本さんが日ごとにゲストとして迎えた劇作家さんとトークを
繰り広げるという企画。この日は俳優、そして劇団「贅沢貧乏」を主催する
劇作家として活躍している山田由梨さんとのトークショーでした。

そのトークショーの中で、僕が印象に残った事をまとめてみました。

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根本「４日間全て来た人？」
　　（１０人ほど手を上げる）
根本「中途半端な数」
　　「今日は同世代の女性演出家とのトークなので
　　　気持ちが楽」
根本「（山田さんとは、２０１５年のベッド＆メイキングスの
　　　「墓場、女子高生」で俳優として共演しているが）
　　「当時私はとがってたので、会話しなかった共演者が多かった」
山田「当時私はバタバタしてて、根本さんに話しかけれなかった」
　　「（俳優として他の劇団に客演していると）役者として出るだけで良い、
　　　家に帰って台本を直さなくて良いと思うと気が楽」
根本「私は客演した後に、演出をすると役者に冷たくなる」
「客演した時、カーテンコールでどういう顔をして良いのか分からない。
　　『墓場、女子高生』の時、（演出の）福原さんから『笑ってない』って指摘された」

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根本「初めて自分でチケットを買って観た演劇は？」
山田「KERAさんの『奥様お尻をどうぞ』でした。それを見て演劇をやろうと思った」
根本「山田さんは子役もやってたと聞いたが、初めて出た演劇は？」
山田「『レ・ミゼラブル』で小学校２年の時でした。鹿賀丈史さんや滝田栄さんらが出ていました」
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根本「中学・高校は何部だった？」
山田「私はバレー部でした」
根本「私は料理部。運動をする人を見ないですんだから」
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根本「作家として、演出家として、孤独を感じた事はあるか？」
山田「ある」
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根本「私の劇団は今は劇団員がいない。入れるつもりもない。
　　　以前は２人いて、ベストな２人だった。２人とも演劇をやる理由がバラバラ。
　　　１人はいずれ海外に行く。もう１人は、私の演劇だけに出たかった。
　　　その子に他の劇団のオーディションを受けに行けと言ったのに全然行かなかった。
　　　演出としては、劇団員がいた方が良い。演出家の意図をある程度汲み取ってくれるから。
　　　劇団員がいないと１から演出をつけなければいけない」
山田「私の劇団はもともとはスタッフサイドの人間しかいない劇団だった。
　　　そこから劇団員が入ってきて、話が早い、思考を共有しているので
　　　スムーズに行き、ありがたさを感じている」
根本「役者陣に面倒くさい人がいたら、そういう演劇を書いたりする。」

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根本「劇作家、演出家にとって一番大切なものは何か？」
山田「想像力、演出力、コミュニケーション力」
根本「演者やスタッフ全員にイメージを共有させる事。
　　　できれば良いが難しい」
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根本「来年１月に別冊根本宗子『バー公演じゃないです。』の再演を
　　　英語でやる予定。やろうと思ったのは、膨大な台詞量を
　　　英語でやれば面白いかなあと思って。美術や舞台背景が
　　　外国人に似合うとも考えた」
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山田「中国の小劇場は、まだ魯迅の作品とか、
　　　海外の古典を輸入して上演したりするとかのレベルで、
　　　若い世代の気持ちを代弁するような作品がない」
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根本「ロンドンで『ウェイトレス』という演劇を見てきた。
　　　同じ作品でも、国によって演出は違うと思う」
山田「『パリのアメリカ人』を日本人がやってるのは複雑な感じがする」
根本「日本発のオリジナルのミュージカルが増えたらいいなあと思う。
　　　三谷幸喜さんの『オケピ』は、三谷さんらしさがつまった
　　　ミュージカルだった。そんな作品が増えたら良いなあと思う。
　　　そのためには音楽家との作業と慣れる事が必要。
　　　今後、音楽劇を作っていく中で、がっつりミュージカルなものより
　　　より日常的なものにしたいと考えている」。
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根本「演劇を創作する時、どの段階がすきですか？」
山田「稽古中」
根本「松尾スズキさんは、アイディアを考え出した時と答えた。
　　　こういう役者で、この劇場で、こういう劇をやろうと考えた時。
　　　山内ケンジさんは、台本を仕上げた時、もう直さなくて良い時」
山田「台本が書けなくて中止になるという演劇スキャンダルを
　　　聞いてどう思いますか？そのスキャンダルを起こす人は
　　　台本書くのが遅い人が多いらしい。私も公演を飛ばすんじゃないかと
　　　不安になるときがある。」
根本「お客に見せたいものが書きあがった時、いつもどういう反応が
　　　来るんだろうと不安になる」
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（山田さんのお芝居は実際の一軒家を使った演劇も多いことに関連して）
山田「家の話は家でやるのが一番良い。普通の劇場で家の事は
　　　やらなくなった」
根本「私はバーを使った公演をやった。女子だけでコメディをやりたい、
　　　そしてさくっと見えるものを作りたいと思ってバーを使った」
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根本「次のパルコ企画（「プレイハウス」）のプロデューサーから
　　　夏だからお祭りみたいなものを作って欲しいと依頼された。
　　　私は周りから、いろんな事をエンタメにする事を期待されている」
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根本「劇場としてはスズナリが好き」
山田「贅沢貧乏が東京芸術劇場に進出する２個前のお芝居は
　　　アパートでやった。その次の会場はキャパが７０人くらい。
　　　そしてキャパが大きい東京芸術劇場になりとまどった。
　　　その劇場を活かしたものを作ろうと考えるようになった」
根本「劇場が変われば、スタッフも変わる」
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根本「大きな会場で初めて演劇を行う時は、その劇場に出た事の
　　　ある俳優さんを入れるようにしている。
　　　１２月の劇は新国立劇場の中劇場。
　　　リメイク（『今、出来る、精一杯』）だが、ほぼ新作のように
　　　なる。初めての劇場で不安だったから、その劇場に出た事の
　　　ある役者を入れた」
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山田「助成金をもらったらチケットを安く抑えられるが、制作費は
　　　それでもギリギリ。助成金がないと回らないのはおかしい」
根本「私は助成金を申請した事がない。助成金を申請する、しない、
　　　どちらが良い、悪いとかではなく、自分で稼いだお金で
　　　やりたいというのが私のポリシー」
山田「稽古場も劇場も借りるの高い」
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根本「根本さん、こういうのどうですかと提案してくる
　　　プロデューサーが少ない」
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山田「好きなミュージシャンは宇多田ヒカル。芸人は
　　　サンドウィッチマン。最近はネットフリックスを
　　　よく見ている。最近見た映画は「主戦場」。
　　　執筆期になるとよくゲームをやる」
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根本「私は大森靖子さんと大槻ケンジさんの小説しか読んでない。
　　　朝井リョウさんさんから（朝井さんが書いた）本をくれるけど
　　　全然読めてない」
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根本「小説のお仕事から逃げている。書いてもすぐに飽きるから
　　　（中略）対決シーンを思いついたとして、そこまで
　　　行くのが地獄だったりする」
根本「（小説でも脚本でも）頭から順序だって書ける人は凄い。
　　　予めあらすじをかける人も凄い。あと舞台とテレビ
　　　両方やっている人も凄い。両方やっている福原充則さんは
　　　凄い」
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山田「吹越満さんと一緒にお芝居がやりたい」
根本「私も好きです。いろんな種類の芝居をやっているから。
　　　同世代で気になる人はいる？」
山田「『のん』ちゃん。アーティスト的な面も持っているから」
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根本「みのすけさんは若い作家にも興味を持っている」
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根本「劇作家同士で話し合う機会、私が劇作家さんに聞きたい事を
　　　聞ける機会がなかった。こういう場をセッティングして
　　　くれてナタリーさん、ありがとう」