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2020年04月11日05:19

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3月31日 谷中にっぽり館 たけ平・萬橘二人会

◆頭痛がひどく、薬を服用してもなかなかよくならない。ふだんからの頭痛持ちだが、この状況下だとコロナを疑ってしまう。
 夜、「もし自分が罹患していたら」と考えると、頭のぐるぐるが止まらない。まず仕事場に連絡して、ここ数日一緒に作業した人に連絡・・・いやいや、それより何より、家族や一緒に働いた人の行動を制限することになるかも。納期も遅れるし、すごい迷惑をかけることになるぞ・・・。
 翌朝、頭はまだズキズキ痛む。ネットで症状を調べると、この後からだ全体に痛みが広がり、味覚障害・・・とのことだが、どうせよほどひどくならなければ、検査も受けられないまま自宅待機だろう。ということで、イチかバチかで、以前処方された別の薬を飲んで、再び眠り込んだ。
 2時間後、朝寝から目覚めた頭は正に「パァ〜ッ」と明るく軽かった。窓から見える空は雲ひとつない晴天で、散り残りの桜が強い風にあおられる隣で、気の早い藤の花も咲き始めている。なんなんだこの幸福感。ていうか良かった、ただの頭痛で!
 もはやウイルスは日常に拡散して、気を付けて生活している人でもかかり得る。罹患した人たちを責めるつもりは毛頭ないけれど、もし自分が感染したら・・・と考えるとやはり平静ではいられない。ましてや激務の医療従事者のことを考えると、ひとりひとりが気を付けなければいけないことではある。
 でもここぞとばかりの百合子、あんたには云われたくないんだよ!


 とか云ってこの自粛下に落語ですか・・・。この日、本郷方面で仕事があったので、終わったら日暮里に寄ろうと前から思っていた。前日にスケジュール確認していたら、翌日早朝からの仕事の後、「日暮里落語」と書いてあるのに気づいた。「どうせ中止」とツイッターを覗いたら、やる気満々な書き込みが。
 当日は昼過ぎに仕事を終えて千代田線で西日暮里へ。家人に頼まれた「イアナック」のパンを買って、歩いて上野方面に戻り夕焼けだんだん。入場すると客が自分を入れて3人。途中で一人増えて4人、いずれも問題なくソーシャルディスタンスをとって座れた。

●トーク たけ平・萬橘
 前日にたけ平出演の浅草演芸ホールが客入り6人、萬橘が出ていた新宿末広亭が2人。末廣亭は萬橘が「火焔太鼓」を終えると主任まで行かずに閉館になったらしい。「そう考えると、この狭い小屋でお客さんがこれだけいるのはスゴイ」と云われれば確かに。
 相変わらずのグダグダ漫才だが、にっぽり館のキャラクターを考えろというたけ平の無茶ぶりに、テキトーに描きなぐる萬橘の絵が結構上手い。兼好といい、圓楽一門の噺家は絵がそこそこ描けるのか。

●萬橘「蜘蛛駕籠」
 落語家になると、全国色んなところに呼ばれる。交通が発達して飛行機や新幹線でほとんどの場所に日帰りで行けるが、北陸方面などで新幹線から在来線に乗り換える場合が距離の割には時間がかかって泊り仕事になったりするそうな。地域寄席に呼ばれると、おおむね最寄りの駅で主催者と待合せるが、このとき「主催の人がやたらと笑っている場合は、たいがいその日の落語会の客は笑わない」。呼んだ本人が盛り上がり過ぎていると、会はスベってしまうということなのかな。
 客待ちをしている駕籠屋。この駕籠屋二人が常々あまりに愚かしく面白いので、見物を決め込んだ外野の二人組が登場するのが新味。上方の「住吉駕籠」でもこういう演出聞いたことないような・・・。無理やり乗せた酔っぱらいが吐いて駕籠を汚し泣きっ面にハチ・・・というのは上方だろうが。駕籠の底が抜けて蜘蛛になる件まではいかず。

<中入り>

●たけ平「宿屋の富」
 このにっぽり館、もうすぐ1周年で、4月初めにはゲストに太福を呼んだ会が催されるそうな。そちらを目当ての人が多いだろうから、なおさら今日は客が少なかったのかもしれない。自分は太福の面白さがよくわからない人間なので、いつもの二人で十分楽しめた。
 今日はどの寄席も余一会のはずだったが、ぎりぎりで各寄席すべて休演が決まり、4月に入っても土日は開かない・・・と、震災時を上回る異常事態である。その中でここで落語会が出来るのは、出演者二人が運営に関わっているから。貴重なスペースだが、今後それもどうなるか・・・。悩ましいところではあるだろう。
 毎度熱演のたけ平、入れ事もなく、教科書的だが明るく楽しい落語だった。


◆携帯に非通知着信があると、軒並みライブや落語会中止の知らせ。横浜での兼好独演会は8月に演者の日程が取れたので延期とのことだったが、にぎわい座が5月半ばまで休館するので物理的にSWAが中止。GWに家人と行く予定だった三三が「髪結新三」を演じる会も中止が決まった。演者はもちろん、席亭さんたちも後始末で大変だろう。
 もともと落語会の多くは、それで大金を稼ごうという種類のものではないと思うが、このコロナ禍が終わったとき、果たしてどれくらいの人が再びこの場に帰ってこられるだろうか。余計なお世話だが心配になる。



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