過言

ドンヨリっとした雨雲が広がる下にキンコンカンコン！と正午を告げるチャイム音が響いた相模っ原の一隅にてございます

近くの小学校からの刻を告げる音色でありますが何とも云えぬ風情を感じる真冬の原風景でもございまする

今日か明日には関東地方でも雪がチラつくやら積もりますとお天気予報では注意を呼び掛けておりまするが今のところは時折に雨がチラつくだけの月曜日なのであります

これから13時には看護師さんの訪問診療がございますのでその前に家主様に昼飯を喰わせなければならないのでありますが近くに住む妹が弁当を買ってくるから作る必要はないと告げられたばかりの居候でございます

己の二食分と併せての一日五回の食事の支度ってものも一日中も飯作りに取っかかっておるみたいで全く忙しない毎日でありまする

それにしても遥か丹沢の山々の頂上付近には間違いなく積雪が幾筋も見られますので下界の降雪も時期の問題でありましょうが早く来い来い春よ来いでございますな

それはそれとして織田作之助の短編集「夫婦善哉」新潮文庫版の六作品を読み終えて昨日から読み直しを始めてるのが林芙美子の長編「めし」新潮文庫版でありまする

前回もオダサクの「夫婦善哉」の次に「めし」を読んだ記憶がございますがどちらも戦中戦後の庶民を描いた秀作でありますな

戦中戦後の戦争成金と云われた一部の金持ち族をのぞいて食糧難の時代にみんな貧乏だった一般庶民の人物たちを描いた秀作でございまする

二人共に個人的に気に入ってる作家でもございますが1930年代から1950年代初めの大阪を舞台にしてる作品としても名作と云っても過言ではありませぬ

好い小説を読んでるととっても心が落ち着く今日この頃のアタシでもありまする