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2016年10月31日00:17

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よしながふみ『きのう何食べた?』12巻(2016年秋最新単行本)

このシリーズを最初から東京の友だちに貸してもらって読んでいる。はじめは何冊かどばっと借りて、その後は出るたびに送ってもらっている。ほとんど年に1回だから忘れたころに送ってくるのがおもしろい。
「おー今年も出たか」と言いながらページをめくる。返却するまで二人が読んでもう一度読んでからお返ししている。本書の主人公たちと同じようにのんびりの付き合いが長く続いている。

ゲイカップルの日々を食事をとおして淡々と描いた『モーニング』連載の漫画で、2007年から続いていてこの先も続く。物語も絵も緻密でよくできていると感心しながら毎度読んでいる。人物たちは実際の年月に合わせて年を取っていくのにも共感する。
弁護士の筧史朗(シロさん)と美容師の矢吹賢二(ケンジ)は東京の2LDKのアパートで暮しているゲイのカップルである。毎日シロさんは仕事の帰りに食材を買い調理する。できあがったころにケンジが帰ってきて楽しい食事になる。食材の紹介と作り方を懇切丁寧に描いているのが本書の特徴。

今回最初は両親のところへ久しぶりに行ったシロさんがすき焼きの牛肉の残りをもらってきたので、具をたっぷりですき焼き。うまいうまいと食べ終わってから、ケンジがいう。「でもシロさん、まだお腹に余裕あるでしょ? この煮汁を半分くらいにしてもう一度火にかけてね」「新たに卵2個を溶いて」「すき焼きの煮汁を卵とじにして、軽くよそったごはんの上にのっけて〆の卵どんぶりね」
シロさん「うわケンジこれうまいよ!!」

その他、秋だからサツマイモご飯、リンゴのマフィンなど、いろんな食べ物の作り方が語られ、二人のそばに寄ってきた人たちの料理のうんちくも楽しく、これ作ってみようかなと思わせる楽しい漫画だ。
(講談社 581円+税)
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