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2015年09月24日01:04

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クロード・ルルーシュ監督・製作・脚本「愛と哀しみのボレロ」

1981年のフランス映画。上映されたときすぐに見に行ってその後レンタルビデオでも見た。ジョルジュ・ドンが踊る「ボレロ」は何度見ても素晴らしい。
ボレロのSPレコードが昔家にあってよく父親が聞いていた。真ん中の赤い紙〈ラベル作曲、アンセルメ指揮、スイスロマンド管弦楽団〉というのをいまだに覚えているくらいだからきっと擦り切れていたに違いない。
だから映画を見に行って最初からボレロが流れてきたのにおどろいた。最後の長いジョルジュ・ドンの踊りがすごい。先日、Sさんに貸していただいた山岸凉子の「テレプシコーラ/舞姫」に、いろんなバレエが出てきたのだが、振付家モーリス・ベジャールの名前がよく出てきてこの映画のことを思い出していたのだった。

映画は第二次大戦前からはじまる。ロシアでバレリーナを目指す少女タチアナがプリマを選ぶテストを受けている。曲は「ボレロ」でもう一人の少女が選ばれるが、タチアナは審査員の一人に求婚される。二人は結婚しこどもが生まれるが、夫はドイツとの戦争で死亡、タチアナはバレエを続けながら息子セルゲイを育てる。セルゲイはボリショイバレエ団のダンサーとなり、パリオペラ座で踊り大成功。母に報告するも、帰りの飛行場で西側にドラマティックに亡命。ここはヌレエフをモデルにしている。

パリのキャバレーでバイオリンを弾いているシモンとアンヌは結婚して息子が生まれるが、ユダヤ人狩りで強制収容所に送られる。こどもの命を助けようと列車が出発するときに線路に置く。赤ん坊は拾われ教会に届けられる。

カラヤンをモデルとしたカール(ダニエル・オルブリフスキ)は、ベルリンでヒットラーの前でピアノを演奏し褒められる。戦争中はパリで軍樂隊長となるがフランス人の歌手との間に女の子が生まれる。

その他、アメリカ編にはグレン・ミラー(ジェームズ・カーン)をモデルとした音楽家一家の物語がある。妻と娘サラの2役を演じるのはジェラルディン・チャップリン。

線路に置かれた赤ん坊がどうなったかがわかる。母アンヌが探し歩いた駅へきた息子ははじめて自分の生まれたときのことを知る。そして記憶を喪失した母を見つける。アンヌの孫にあたるダビッドは歌手を目指している。

最後は登場人物がそれぞれの場でボレロを見るシーン。
81年のパリ。ユニセフと赤十字の主催で、指揮はカール、ダンスはセルゲイ(ジョルジュ・ドン)、歌うのはサラとダビッド、司会はニュースキャスターになったエディット。

クロード・ルルーシュの渾身の仕事。
1980年代はまだ未来が明るく見えていたんだと懐かしくなった。
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