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日記一覧

痩せた猿が誘蛾灯の下で
2024年04月11日22:04

痩せた猿が誘蛾灯の下の小さな檻の中で陳腐な引用と比喩だらけの言葉を吐いていた、のべつ幕なしに並べ立てていたがそれは一言も俺の興味を引くようなものではなかった、生まれてこのかた名前も聞いたことが無いようなコンビニエンスストアの入口のそばだった

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手遅れの手前
2024年04月07日15:13

落ちぶれた世界の歯軋りが俺を眠れなくさせる、飲み干した水の入った、コップの底に張り付いていた潰れた小虫、排水溝の向こうで今頃、呪詛を吐き続けているだろう、小さいから、弱いから、儚いからで納得ずくで死ねるわけでもないさ、熱い湯を出して頭からか

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bad religion
2024年03月31日14:47

誰の耳にも止まるよう鎮魂歌は轟音で鳴らされる、崩落した世界の底で見上げる太陽は一番輝いている、絶望や失望と戯れるうちそれが主食かと思うようになった、どこを歩いても腐敗臭ばかりさ、自尊心が内容を上回っている連中が獲物を探している、晴れた空がま

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音のない雨
2024年03月24日21:38

秘罪は内側から羽虫のように自我を食らい尽くすだろう、薄暗がりの路地の中で死後の自分の眼差しを見た週末、雨はかろうじて降らないでいるだけの午後だった、冬の名残でもなく、春の目覚めとも思えない温い気温、内奥の燻りが爆ぜた途端なにもかもが静寂に見

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時計の文字盤の進行と街の気配が奇妙な歪さをもって網膜に刻まれる午後、全身に浅黄色の布を巻きつけた梅毒持ちの浮浪者女が木の柵で囲われた売地の中でこと切れる、鴉たちは低いビルの立ち並ぶ様々な屋上からそれを見下ろしている、もはや生肉を好む時代でも

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寄り道の先の亡霊
2024年03月09日22:48

誰かが俺のことを呼んでるのは聞こえていたけど俺はすっかり出来上がってしまっていて返事ひとつもままならなかった、ここで無理矢理立ち上がったところでテーブルと一緒に転んで弁償するグラスがまたひとつ増えるだけだった、まわりの皆も俺がそこに居ること

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お前の筋書き通りさ、神様は血を吐いて仰向けに倒れた、悪魔は小洒落た燕尾服で現れて上等のワインを抜いた、甘い香りがそこら中に漂って…忌み嫌われたロックンロールのイントロが流れ出すとどいつもこいつも狂ったように騒ぎ出す、みんな熱狂の幻覚の中で馬

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はばたきは、いつか
2024年02月21日22:51

あなたは枯れた蔓を集めて、血管をこしらえたわたしは綿毛を集めて心臓を作り、それを繋いだなにも無いこの地にはいつも、優しく撫でるような風が吹いていてそのせいでわたしはいつだって落ち着かなかったたくさんの鳥がいっせいに飛び上がるのを見たの冬にし

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三文芝居の夜
2024年02月19日22:39

一日中、降っては止みを繰り返した雨に濡れた街が、僅かな街灯の明かりに照らされて終末のようだ、新しい靴のソールは穴だらけの歩道の水溜りを完全に拒んだ、俺はそれをいい兆候だと感じていたんだ、風が弄るみたいに四方八方から吹き付けていて、そいつが俺

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去年親知らずの根っこが腐り、抜いてもらってからというもの月一で歯医者に通いクリーニングとチェックを続けてもらっている。今日もその日だった。いつものように終わり、次の予約をしてもらい、さあ帰ろうとスリッパを戻し靴を履こうとしたら無い。俺のと形

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Rend Fou
2024年02月10日14:11

それは、どこから始まったのかわからなかった、部屋中に蚕の糸が絡みついているかのように白く、いつもそこにあるはずのものを認識することが出来なかった、いつもとは違うにおいがした、あまり適当な例えを思いつかないが、しいて言うのなら―黄泉のにおい、

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新作動画
2024年02月09日10:28

ひさびさにラップみたいなやつです。

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永遠に消えてゆく
2024年01月26日14:56

蒼い夜に沈んだあなたの真意がしんとした空気に濡れるころ空にはいくつかの言葉が亀裂のように浮かぶ渡り鳥は平衡感覚を忘れ目当ての星を見失うそれは人の為にあらずだからこそ祈りは切なるものとなる祭壇には切り刻まれた神滑らかに捌かれた天使たちがもはや

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