mixiユーザー(id:91293)

2020年11月27日12:44

67 view

スーパーコンピュータの独壇場

最近ニュースにちょこちょこ出てくる「富岳」、なぜスーパーコンピュータが必要なのか、記事ではわからない。

簡単に言うと、こういう計算は「空間を網目状に切って、それぞれの点ごとに状態を計算し、時間経過ごとに繰り返す」。
たとえば、10m×10mの範囲を計算する場合、10cmごとに区切れば平面でも1万点の計算をしなければならない。10m×10m×10mの立方体なら100万点になる。
100万回の計算ぐらいならそのへんのPCでもすぐに終わる。
が、その計算がたしざんひきざんではなく、フーリエ級数展開となると1点あたり数千回を超える計算が必要になる。それでは「一瞬」しかできないので、時間も細かく区切って、繰り返すことになる。
この「ものすごく小さな小さな流体シミュレーション」だけで1兆回を超える計算が必要になるわけだ。
サイズが2倍になれば計算量は8倍、メッシュ(網目)が細かくなれば桁違いに計算量は増える(人間が乗っている電車なら1cm程度のメッシュは必要なはずなので上記の例より3桁増える)。
時間も2分に1回停車、ということはその10倍以上、1000秒単位の時間の計算(当然、1秒単位では精度が出ないので計算はもっと細かい)になる。

当然だが、シミュレーションは1回だけでは終わらない。何度も何度も条件を変えながら繰り返し行うことで精度を上げていく必要がある。
計算そのものは加減乗除などの繰り返しなので「難しい」わけではないが、計算量は莫大なものになる。
従来のスーパーコンピュータで何日も何週間もかかっていた計算が数時間で終わるなら、使うメリットは大きい。

COVID-19に関する一連のシミュレーションは、もちろん公衆衛生、予防の観点からも大切だが「富岳のデモンストレーション(および動作試験)」としても最適だ。
まだ、本格稼働してないにもかかわらず、これだけの計算ができる、というのは計算機科学の世界では十分話題になる。さらにそういう計算が可能なソフトウェア資産もある、といううことだ。
「京」は一般人でも成果公開などの条件を満たせば、個人が無料で利用できるサービスもあった。富岳もそういった利用促進が行われるんだろうけど・・・残念ながら私の頭では「スーパーコンピュータにしかできないような演算」を思いつけない。

■通勤電車、ドア開閉で換気効果=山手線想定、富岳で―理研など
(時事通信社 - 11月27日 07:30)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6321337
3 3

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2020年11月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     

最近の日記