リブートしたチャッキーはオカルトではなくAI搭載。*1
今時の“能力”でコミカルに恐怖をふりまき復活する。
同時にチャッキーへ対抗するのは今時流行りの子供集団だ。
AI搭載人形「バディ」。
その1体が、パワハラ上司へ反抗する社員のサボタージュによって、
倫理既定を解除し出荷されてしまう。*2
偶然、人形を手に入れたシングルマザーのカレンは、
息子のアンディに「バディ」を送る。
「バディ」にチャッキーと名付け相棒となった2人。
そうしてチャッキーが抱くアンディへの病的偏愛――ヤンデレが花開く。
チャッキーは純粋だ。
拒絶されるまではアンディを愛し、アンディのために障害を排除する。
『悪魔のいけにえ』のレザーフェイスを見て殺人技術を学び(いいぞ!)、
映画に喜ぶアンディにチャッキーはつくすのだ。
ちょっと男関係にだらしないカレンの彼氏
――アンディをいじめ不倫しているシェーンの首をオブジェにして届けるし、
アンディをひっかいた猫を殺す。
だが、アンディは激怒。
かなしいかけちがえだ。*3
こうしてチャッキーは暴走を開始。
人形が殺人を犯す現実を大人は理解せず、
アパートの子供らで立ち向う設定が『ストレンジャーシングス』
や『IT』にならい今風。
物語がスムーズではない部分があるが、*4
チャッキーは子供たち相手にドローンやAIカー、
自身と同様の「バディ」を操り殺人を繰り返す。
特徴的なバディソングとともに。
「ぼくたち相棒(ともだち)だろ?」
※1 映画シリーズでは連続殺人鬼の魂がヴードゥーの魔術で人形に乗り移る設定。だが、本来、原作ではマイコン制御の人形が意志を得て暴走する筋書であった。
※2 つまるところ本作はブラック企業の弊害が生み出す悲劇。カスラン・ベトナム支社の生産工場が、ホワイト企業で、ホワイト上司がいれば、こんなことにはならなかったのだ(ウソ)。
※3 まさしく「どうして!! わたし! あなたのためにしたのに!!!!」
※4 たとえばアンディが殺人人形を追い出すために部屋を滅茶苦茶にし、カレンが動揺する場面。このあと映画はすぐに以後の展開へと切り替わる。ただ、あれだけ動揺したなら、息子を病院に連れて行くなど、しかるべき「つながり」があったほうがスムーズだ。
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