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2018年12月14日23:58

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ブロマンス的同性恋愛の香り。同時にヴェノムのパワーを押し込める、ある残念さ 『ヴェノム』

バイクを操るチェイスでエディがさけぶ。
「死んじまう!」 ヴェノムは、こう答える。「死なせない!」

“あるジャンル”へ属す、世界の女子の「レーダー」が、
2人の関係に強力な電波を受信したのはまちがいない。*1

おちこぼれ2人が強力なダークヒーローと化すバディムービー。
一種同性恋愛の匂いが漂う。
反面、本来、悪役で、常識の鎖を外し自由なはずのヴェノムを、
様々な事情が封印する。

表の顔はクリーンだが裏の顔は違法実験を行うライフ財団。
ライフ財団の創始者で、CEOのドレイク(リズ・アーメット)は、
宇宙からシンビオートという生命体を地球へ持ち込む。
財団の不正を調査しにきた記者のエディ(トム・ハーディ)へ、
シンビオートは寄生。シンビオートは「ヴェノム」と名乗る。

登場人物の関係構築は“曖昧”だ。
正直なところヴェノムがエディを気に入る一連の流れは、
「気に入る」以外の理由がないし、*2
ヴェノムは単純に良い奴にしか見えない。

原作が持つ残酷さや流血の場面は一切なく、
将来的・制作的な事情の抑圧を強く感覚する。*3
現在のPGレーティングがきびしすぎるのだが、*4
ヴェノムは枷と鎖をつけられしまった。

ただ、全年齢的なマーベル作品として見るなら、
エディとヴェノムのかけあいはユーモラスでおもしろい。
SWATとの戦いや、ライオットとの戦いは、制作が目指した人間にはできない、
まさしく変態的、怪物的、ヴェノムの凶悪性と暴力性を堪能させてくれる。


※1 そもそもカップリングとしてはアメコミ女子としては“定番”だったが、公開以後、ファンアートをふくめ世界中でハートマークだらけだ。ねらってたのかルーベン・フライシャー。とはいえ「ピザボーイ〜」がちょっとそうですし、男 × 女でいえば監督のキャリアは恋愛作品/恋愛要素が多い。

※2 それでいいような気もするんだけどね。

※3 制作側は将来的にMCUとヴェノムが合流する可能性を視野にいれていると言及している。そのため過度・過激な描写は回避したのだろう。ただ、そのためヴェノムが本来もつ凶悪性や残虐性、エログロ、ゴア描写はスポイルされてしまう。一応伏線としてとっているのか? エディが騒動のためにNYからLAに来たとの台詞もある。

※4 過去の作品の描写で、いまだとPG以上になってしまう事例は大量にあるだろう。
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