公開当初から気になっていた映画「ミッドナイトスワン」を観てきました。
期待以上に良かったです。何と言っても、主演の草��剛(凪沙)の更に進化した演技力が素晴らしい。田口トモロヲ(洋子ママ)も良い味を出していました。それから、本作がデビュー作となった新人、服部樹咲(桜田一果)の初々しさが、役の思春期の難しさと相まって、爽やかでしたね。ベテラン・中堅・新人という、キャリアの差がある役者を起用したところに、キャスティングの妙を感じました。また、我々の世代では、グラビアアイドルとして人気を誇った佐藤江梨子(桑田真祐美)が、一果の友人、上野鈴華(桑田りん)の母親役として出演していたことも、親子の世代を感じる導火線となったようにも思えました。
本作で扱っているテーマは、LGBT、孤独、家族のかたちなど、現代社会でも注目されているものばかりですが、それらがレベルの高い演出とカメラワークで、きちんと集約されており、作品全体としてのクオリティの高さにつながっているように思いました。
それから、音楽も良かったです。作風が坂本龍一に若干似ている気もしたのですが、澁谷慶一郎が手がけています。世界中でセンセーションを起こした、人間不在のアンドロイド、初音ミクによるオペラ『THE END』、仏教音楽・声明とエレクトロニクスの融合『Heavy Requiem』と手がけるなど、今後とも要注目のアーティストです。本当に凄い才能だと思います。興味のある方はぜひ。
https://midnightswan-movie.com/
ログインしてコメントを確認・投稿する