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2017年01月28日03:15

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パートバランス

先日、とある合唱団の演奏会を聴いて感じたことなのだが、ある程度の人数がいる合唱団でパートリーダーがよく考えることのひとつに「パートバランス」ということがあると思う。しかし特にソプラノやトップテノールのような最高音パートで合唱音楽の表現を受け持つパートがこの考えにとらわれてしまうと、本番での音楽が小さくなり聴いている方に音楽が届かない大きな原因だと感じた。

オーディションなどで選ばれた個人レベルの高い合唱団は別にして、一般合唱団ではメンバーの音楽的レベル差は大きいのが現状だと思う。ここで大切なことは、合唱は足し算で点数が決まるのではなく、平均点で決まるということ・・・ちょっと分かりにくい表現かもしれないが、たとえば50点の技術レベルのメンバーが3人集まった場合、合計点の150点の演奏になるわけではなく50点程度の演奏しかならない。しかし、この3人のうち一人が80点の技術レベルがあるとすると、平均であるので一気に60点と10点も総合力がアップする。おそらくこの場合、60点程度ではなく50点のメンバーが80点の技術に合わせることによりもっと総合力は上がると思われる。

先日の演奏会では、ソロを歌ったレベルの高いメンバーが、その技術や声量をアンサンブルではパートバランスという考えにとらわれて、周りのレベルが低いメンバーに合わせに行ってしまう。そうすると本来持っている総合力が十分発揮できない演奏になってしまい、聴いている方にその音楽の表現が伝わらない。聴いていて退屈な演奏となってしまった。

これは、以前、指導者の先生が言われていたことなのだが、「有能なアンサンブル歌手は、最初はレベルの低いメンバーに寄り添って歌うのだが、徐々に自分のペースに引き込んでいく」ということなのだと思う。

結局、合唱では一人でも抑えた音楽を演奏することは、その音楽を殺す。全員、全力で客席に向けて歌い、その全力の中でアンサンブルをしていく必要があるのだと思う。

「合唱」とは、一人一人の声を合わせるのではなく、唱(歌)を合わせる音楽であるということなのだろう。
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