バーニング劇場版

バーニング劇場版
　見逃してたけど今回再上映で観られて良かった
ジョンスは小説家志望の青年。街で同郷の女友達ヘスと再会して、ヘスがアフリカへ旅行に行っている間飼い猫に餌をあげに来てほしいと頼まれる。ヘスの部屋に来て餌を用意するが猫の姿はない。ヘスが帰国し空港に迎えに行くとベンという金持ちの青年が一緒におり3人で食事をする。ベンは遊んで暮らしているという。ジョンスは幼い頃母親が父親に愛想を尽かして家を出てから父親と暮らしていた。しかし、その父親は暴力を抑えられないたちで今まさに傷害罪で起訴中。実家の牛の世話をしているとベンとヘスがやって来る。近くに北朝鮮との境界がある寂れた界隈で夕陽を眺めながらベンが持ってきたワインを飲み大麻を吸う。やがてヘスが服を脱いで裸になり夕陽をバックに踊る････。ベンはストレスがたまるとビニールハウスを焼くと打ち明ける。2ヶ月に１回のペースで。その位のペースが丁度良いと言う。いかにも燃やしてくれと言うようなビニールハウスがたくさんあると･･･。ジョンスの実家の辺りはまさにそんなビニールハウスがたくさんあって今日はその下見に来たと言う。その後ヘスと連絡がとれなくなり、ジョンスは実家の周辺のビニールハウスを見て回るが、どれも燃やされた形跡はなく、ヘスの部屋は空･･･。ジョンスはベンの行動を追跡するようになるが････。

なんとも不穏な空気が漂うメタファーだらけの謎な映画でした。何者にもなれず何も持たざる者ジョンス。ヘスも謎だしベンはもっと謎。ベンが乗ったポルシェを追跡するシーンは凄くハラハラするし、大麻を吸ったりビニールハウスを燃やしたり犯罪を犯しても平気でいるベンの空虚さは怖いし、ヘスの踊るシーンは綺麗で儚いし、印象的な場面ばかりでした。ラストは呆然心に残る作品でした