光の尾を引きながら燃焼する星に歓声があがる。花火の打ち上げ音が全身に伝わる。一瞬の輝きにこそ人は目を見張り、心ときめかす。消えゆく光の姿をみながら、また来年も観たいなぁと願う。華やかな時間に付きまとう儚さというものは、次の輝きを待ちわびる期待感でもある。
では過去の一瞬の輝きに、今も変わらず想いを馳せている状況とは何なのか。未だ消化しきれていないものがある。2005年に愛知県で開催された万国博覧会「 愛・地球博」のことだ。
十年もたった今でもよく想いだす。毎日の様に歓声があがり、輝きに満ち溢れたイベントにおいて様々なことを経験させてもらってから久しいが、愛・地球博が自分にとって一体どのようなものであったのかを理解し始めたのは、実は最近なのではないかと思う。それは愛・地球博記念館を訪ね、当時の各パビリオンが掲げていたテーマを見た時だった。
国連館のテーマは「 みんな違う それが世界 多様性を祝おう」。
多種多様な人々に囲まれて過ごした当時の様子を思い起こさせる、あるべき未来の姿を示してくれる現在の国際情勢を捉えたそのフレーズは、現在のあらゆる問題の解決へ の道を�� 過去 �瓩�らそっと照らし続けてくれている。きっと以前も目にしていただろう言葉の 意味 をとらえることは今までなかった。
これを機に、愛・地球博が見せてくれたのは -様々なメンタリティーの人が一つの広場に集まり、みんな生き生きとしてる景色- であるということに、初めて気づいた。
今生きているこの世界は愛・地球博で学んだことの復習そのものである。多文化共生というのがどういうものなのか。愛・地球博は我々をタイムマシーンに乗せて人類共通の課題を実際に疑似体験させてくれた、人類の共通のテーマにみんなで取り組んでいく。言うならば、それは世界のどこにもない��Tomorrow Land�瓩� の留学だったのだ。
それにしても�� あの未来 �瓩亘榲�に居心地が良かった。自然の中の広い青空の下で都会の喧騒を離れて思いっきり地球大交流を満喫した185日。空間的にも時間的にもそのコンパクトさはDiversityを体感する最高の環境が整っていた。そして、愛・ 地球博が教えてくれた 異質を楽しむ という事を�� 現在 �瓩砲�いても続けていく、続けていける、世界に住みたいと私は未だに願っているのだ。
雨上がりの万博会場、当時と風景は変わったが、十年前同様に何かが始まりそうな期待感が存在する。あの騒がしかった広場の遠い記憶は、多文化共生に向けた一人一人の小さな叡智に生まれ変わりつつある。まだたったの十年しか経っていない。無理に前進しようと焦る必要はないのかもしれない。�狢┿��瓩�求められる時代においても、必ずしも短縮を目指すべきではないものはこの先もきっと存在する。聞いただけ、読んだだけ、見ただけよりも一生記憶に残るのは体験することである。そう、あの時と一緒である。
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