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2015年04月25日22:09

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古参なプロレスファンの心

 今、子ども、女性に"プロレス"人気が高まってきている。私がそう感じるのは世の中の人がそういっているからである。店の前に並ぶ「行列」もメディアだ。あるプロレスラーのサイン会に行った時、多くの子ども、女性が大勢いたのを目撃した。私はプロレス好きということを公言することにどこか肩身の狭い思いを感じてきた。TPOを常に気を遣ってプロレスの会話をしてきた。列の少し前の方にいたプロレス好きそうな雰囲気の人と自然と会話が始まる。いかにも古参なプロレスファンだという事が周りに伝わる。

 それにしてもメディアの力は本当に強い。
「テレビスポットや雑誌、電車の車体広告や看板広告を大々的に行い、プロレスが『流行ってる感』をまず最初に打ち出した。」※1
プロレス団体自らが始めた戦略が実際に流行を生み出し始め、プロレスラーの露出が増えた。その中でもひときわ輝きを放っているのが、飯伏幸太という選手で、”ゴールデンスター”と呼ばれるイケメンレスラーである。「21世紀をつくるニッポン人名鑑」にも選ばれた。彼はリングだけでなく路上でも戦う。キャンプ場、高速バス乗り場といった場所でプロレスをしたり、マンションプロレス、書店プロレスといった様々なプロレスを展開している。メジャーとマイナー、マニアと世間との懸け橋となっている。例えば、You tube鑑賞が好きな人が、面白動画の一つとして”ヨシヒコ(と言う名の人形)“と30分近く戦う飯伏幸太に辿り着き、鑑賞した先に、実際に会場に足を運んで試合を観戦するという流れにもつながっている。気付かなかったがプロレスにはみんなで「わいわいと気軽に楽しめる」動画コンテンツとの相性の良さがきっとある。

 古参なファンも試合の会場でわいわいと熱狂している。しかし目の前の試合に夢中なのかというと、必ずしもそうとは限らない。試合の後の展開を推測したり、またそれに至った過去のある経緯を解明したり、何かと現在行われている試合以外の事に集中していることが多い。そして解説好きが多い。私が中学生の頃に初めて会場に行ったときにこのような人達をみて、「何をしに来たんだろう」と思っていた。今となっては完全に私も同類だ。勝負予想とその説得力、次に出す技予想とその必然性、今後のレスラーの因縁、対立構造を言い当てる(※2)。未来へ続く創造的なモノの観方をすることに醍醐味を感じる。たまに隣の人とずっと客入り状況などの興行の盛況具合の話をしていてほとんど試合を見ず、家に帰ってからそういえばどっちが勝ったのだろうとネットで確認することもある。
 そんなことを繰り返し、あるメッセージに気付いた。
「これから日本のプロレスのコンテンツを世界への輸出を始める。その新しいオーディエンスとはアメリカ人である。」

 今年の新日本プロレスの東京ドーム大会(※3)においての新たな‶テイスト”に気付いた。演出や試合内容が25年位前に観ていたあるプロレス興行をフラッシュバックさせた。それは、世界最大のプロレス団体WWEである。アメリカのプロレスと言えばという存在感で、全米1400万人が視聴している。そこへ日本のプロレスで勝負を挑もうというのだ。 コンテンツを輸出向けに、うっすらアメリカ風味にして。新日本プロレスが昨年末よりインターネットを使った有料動画サービス(※4)を始めたのは、市場を海外にも拡大をさせるためのインフラであり、そして、" pay-per- 〜 "(※5) 時代に挑む事前準備でもある
(、、、と予想する)。
「これからは日本のプロレスも市場は世界か。」
 古参なプロレスファンは普段は肩身を狭くしつつも、一方ではプロレスを通じて、大胆に世の中を占うことに興奮し、大きな浪漫を抱いている。
 そう。やはり。 目の前の試合には あまり集中もせずに。


※1 出典新日本プロレスが再び熱い アントニオ猪木イズムを継承した市場開拓術 - AOLニュース
※2 誰も聴いていない。的中率は60%程度
※3 一年で最も大きな大会。毎年1月4日。今年で24回目
※4 月額999円で主要大会を完全配信。映像コンテンツも充実しており、1970年代位の過去から現在までの試合が好きな時に好きなだけ観れるようになった。
※5 来る5/3にファイトマネー360億円のボクシングが行われるが、ファイトマネーは、主にpay-per-view(ペイ・パー・ビュー / 課金して視聴するシステム)収入を含めた興行収入から生まれる。

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