儘ならない日々

　儘（まま）ならない。物事が思い通りに運ばないさまを表す言葉だ。

　養分人生が長い私は、人生儘ならないことを十分理解しているつもりだが、この週末はそれを強く感じるものだった。

　まず、土曜日（１９日）。実家のある千葉県のあるホームセンターのレジに並んだのだが、２つ稼働していて選んだのが右側の方。しかし、前の客の品物が多く、空いていた左側の列を覗くと、前の客は花を買うだけだったので、「こっちだ」と思い、左側に並び直した。ところが、単なる花のレジのはずが妙に時間がかかる。すると、右側の方が進んだ感じがしたので、再度右側に並んでしまったのが運のつき。レジが終わったと思ったら、「複数のかごの１個目」にすぎず、次のかごのレジを始めたのだった。この時点で左側には別の客が並んでしまい、私は右側の前の客の３回のレジ（わざわざ３回に分けて精算していやがった）を見届けることになってしまい、その間に左側のレジは２人進んでいた。スーパーのレジの「あるある」だと思うが、心の狭い養分人間はこういうことにイラッとしてしまう。

　次は、日曜日（２０日）。珍しく競輪を中心に競馬はローズＳだけの購入だった。競輪は伊東の共同通信社杯の準決勝で、１０・１１Ｒと新田祐大・脇本雄太から薄目をしっかりと買えていたのに、本線の車券が的中せず、１２Ｒで結局儲けを吐き出すといういつもの結果に。
　さらに哀れなのが、ローズＳ。競輪のおまけみたいな感じで、５・７・９・１０のＢＯＸを買って養分になるのはいつものことだったが、中山のラジオ日本賞が９→１０→５で２５万馬券だったから泣けてくる。単にローズＳの買い目を中山で買っておけばよかったというだけの話だが、こういうことを思いつくほどの脳みそはなかったのが悲しい。２００２年に、当時も養分だった私が天皇賞（秋）での３連複の買い目予定の８⇔１０⇔１４をやけ気味に前日の武蔵野Ｓでも買ったところ、それが何とビンゴで４１１.６倍を１点で仕留めるという僥倖があったので、たまにこういう馬券を買ったりするのだが、今回は全く浮かびもしなかった。

　そして、今日はセントライト記念で養分となり、共同通信社杯決勝でも見事な養分となった。８月の松戸記念でもそうだが、「単騎の実力者を当てにするな」という典型のような結果になった。冷静に考えてみると、「九州４車の先行は固く、それを早めに二段駆けで発進し、もしかしたら中本匠栄にも有利に運ぶ」とう発想があってもよかったはずだ。そういう発想ができなかったファンが圧倒的だったから、ああいう配当（３連単１９６,３８０円）になるわけだが、私も数少ない的中者の仲間に入りたかったものだ。
そういえば、今日の競馬と競輪は新宿のマンガ喫茶で見たが、最初に入った個室のパソコンの動きが悪く、移動した個室ではパソコンが巨大で目が疲れるということもあった。このあたりにも養分人間の「儘ならさ」を感じるところだ。

　さて、そんな養分人間も馬券・車券をやり続けるほどの金を持っているわけではないので、初めて「Hulu（フール）」を使って映画を観た。渡哲也が亡くなって、西部警察を観ていたのだが、今日はbantemanさんお勧めの「仁義の墓場」という１９７５年の東映の映画を観た。主役はもちろん渡哲也だが、内容を一言で言うと「団長、何をしているんですか！」「団長ご乱心」という感じになろうか。ビートたけしではないが、「こんな団長は嫌だ」というもので、渡哲也が演じた石川力夫というヤクザのやったことは「おいおい」というものばかりだったが、それが逆に伝説になり、映画化されてしまうのだから、世の中分からない。
　それにしても、渡哲也の風貌は「おかしくなった団長」としか言いようがなかった。映画の舞台は戦後間もない時期のものだったが、撮影はそれから３０年近く経っている。当時の東京（ちょっと大阪も）を見事に活写した深作欣二監督をはじめとする、役者・関係者の「熱量」を感じるばかりだ。

　あと、松たか子が主役の「告白」という映画も観た。映画館でも観たのだが、後にＮＨＫ「あまちゃん」で活躍する能年玲奈（のん）が出ていたというので、それを確認してみたかったのだった。で、私の見た限りでは最初の牛乳を飲むシーンのワンカットしか確認できなかった。あまちゃんで共演する橋本愛の方がこの映画では重要な役を演じていたのだから、世の中何だか分からない。ついでに、松たか子の子供の役が芦田愛菜だったのも驚いた。こちらも仁義の墓場同様に血が結構出てくるストーリーだが、これを見ると、「やっぱり西部警察のようにドカーンとやる方がすっきりする」と感じる。

　こんな感じで過ごしている私の養分な４連休だが、明日はどんな養分になるのだろうか？