子宮内は、中から見れば「まあるい世界」。
そのどこに胎盤がくっつくかは偶然の産物。
ちなみに胎盤とは、
胎児のへそに続く、ホットケーキ(もう少し大きいか?)状態の丸い組織で、
血管のカタマリ。
構造的には、血管がとげのように子宮壁にくいこんで、
母体血管とからみあって、
薄い血管壁を通して酸素、栄養をやりとりする。
胎児と母体の血液は混合しないので、違う血液型でも問題なし。
この胎盤が、たまたま子宮口の上にくっついてしまったのが前置胎盤。
お産ってのは子宮口が開いて胎児が出てくるわけだが、
子宮口が開けば胎盤血管の一部が子宮壁から離れてしまう。
血管のカタマリなので、当然出血します。
胎児がわからも、母体がわからも。
そしてここが一番の問題点。
胎児は、母体の外に顔を出して第一呼吸(まず吸う)で「おぎゃー」と泣くまで、
母体からの酸素で生きている。
胎盤血管が運ぶ酸素が子宮内にいるうちに断たれたら…
そりゃまずいことになりますわな。
胎盤組織には、胎児との酸素や栄養交換がうまくいくように、
「血液さらさら」つまり血液凝固を阻止する物質が含まれているので、
胎盤からの出血は止血しにくい。
だからお産終わったら胎盤はとっとと子宮内からひっぺがしてしまうわけですが、
前置胎盤の場合、お産が終わる前にはがれかけてしまうのでかなりの出血になり、
この出血で母体の生命が危険になることがある。
つまり「胎児と母体といっぺんに命を失いかねない」病気のひとつ、なわけ。
(他にもあるけどね。子癇とか常位胎盤早期剥離とか)
この記事になった芸能人のお方は切迫早産つまり
おなかが張って子宮口が少しひらいて、胎盤のはしっこから出血したんだね。
だから前置胎盤のうちでも「部分前置胎盤」の可能性が高い。
この場合は、最初の出血が止まってくれれば
「次に出血したら帝王切開、それまでは安静(入院も自宅もあり)」ってことになる。
いずれにせよ、お産は帝王切開ですね。
緊急になるか、予定した日までもつか、っていう話。
どうぞお大事に。
藤井リナ「命の危険がある大変な出産になることが分かった」第2子妊娠も
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=6704090
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