４５歳リミットとは言うけど

高度不妊治療を扱う施設でも４５歳まで。
これはちょっとマジックがあって、４５歳前から治療しているときこの年齢になると、
たぶん長い説明と「今後は治療成功の可能性が低い」ことを納得している同意書に
サインをすることを求められると思う。
本人が希望しているのに治療しない、ってのはちょっと変でしょ。
でも治療しても妊娠できない可能性のほうが日々高くなるから
施設側としても「守り」に入るわけ。

ただねぇ。
たとえば４５歳で無事に治療成功して妊娠できたとするわな。
不妊治療施設は、今はお産扱わないとこが大半。
つまりお産の施設に転院するわけだが、
４５歳以上は初期流産が５０から７０％なのねん。
転院したとたんに出血して…ってことがあるんだよね。
そして、この年齢は妊娠中の合併症も多い。
高血圧糖尿病腎機能低下肝炎膵炎などなど。
これが原因で赤ん坊に影響でることもあれば、
母体の命がやばくなることもある。
運が悪いとここでかかった病気が一生の持病になったりする。
そこを無事にクリアできたとして、お産ですよ。
４５歳になって不妊治療してでも子がほしい人って
その年齢ではじめての分娩ってことが圧倒的に多い。
筋肉が硬い、粘膜が伸びない、骨が開かない、体力ないからいきめない。
まあこれは帝王切開すればいいだけなんだけどね。
下からお産したい、なんでがんばられた日にゃ、産科主治医は大変だ。
そしてそして、じゃあ無事お産までクリアしたとしてさ。
子育て、どうするの？
山のようにお金あって家政婦とナニー（乳母）を雇えるならいいけど、
夫に金あって専業主婦であっても、子育ては大事業です。
地域でよほどいろんな制度を活用しないと、数か月外に出れない結果
「産後うつ」で赤ん坊と心中しちゃうよ。
そこまでいかなくても過労で病気になるとかさ。

子がほしい、は本能なので４５歳で急にほしくなってもまあ、仕方ない。
本能を理性で「あきらめる」のは大変なこと。
でも、やっぱり「理性がある」が人間なのだから
いろいろ考えながら不妊治療を受けてほしい。
「あきらめる」覚悟をしておかないと自分が困る。

何歳まで産めるのか？ 高齢出産のリミット、出産可能年齢について医師が解説！
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