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2019年11月18日14:11

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映画「アイリッシュマン」

原作を読んでどうしても映画にしたかったマーティン・スコセッシ監督。
俳優集めに一苦労。(18回オファー断ったお方もいるとのこと)
撮影費用もどんどんふくらんで一時は中止の危機もあったが、
なんとか完成にこぎつけましたとさ。

これはスコセッシ版「ゴッドファーザー」。
ただしボスでなく側近(トム・ヘイゲンとルカ・ブラッシの役割を兼ね備えた)の目から見ている。
主人公はロバート・デ・ニーロ。
そのボス役は、自分は知らなかったけどかなりの名優さんで、
この人が「18回断った」お方だそうです。
鼻先が少し潰れて縦線が入って、小柄で目つきがするどく、
いかにもシチリアのマフィアっていうイメージ。

デニーロがそのボスから「役にたってやれ」と言われたのが
トラック組合を牛耳るホッファさんで、アル・パチーノが演じる。
ばりばりのアメリカ人労働者からのし上がった組合幹部で、
資本家連中(政治家も)と闘うから組合員からは人気者なんだけど、
年金のために組合員がおさめているお金を運用するのに
ちょっとまずいあたりにも回してしまう。高い金利で返ってくるけどね。
…なんか年金のもとを他に好きに回すとか、少し前に我が国でもあった話ね。
で、このホッファさんがイタリア人が嫌いでね、
お金を借りたいマフィアに「俺はイタ公見ただけで気分が悪くなる:とか言うわけ。
あんた思いっきりイタリア系の顔じゃん、とこのセリフでるたびに笑えた。

実際には出る人間出る人間どんどん死んでいくので笑える映画ではないのですが。
そこはそれ、マフィアの歴史ものですからね。
イタリア系大物俳優大集合、という感じで見ているだけでうれしいです。
よくこれだけ集めたね、もう数年したら作れなかった映画かも。
ちなみにデニーロは若いころの自分もメイクして自分で演じたとか。
さすがです。

スコセッシ版ゴッドファーザーと思えるには「俳優が重なっている」以外にも理由あり。
たとえば何でもないバーでの会話シーンで、バーに流れるのは「愛のテーマ」だったり。
赤ん坊の洗礼シーンがすごく似ていたり。
マフィアが集まって襲撃の相談をしているときに、
台所で食べ物配りながら話をしていたり。(スパゲッティじゃなくトーストと卵だけど)
ラストシーンは、半開きになった扉からデニーロがこちらをじっと見つめていたり。
全部、ゴッドファーザーのどこかにあったシーンのオマージュ。
通りに面した果物屋で果物買いながら会話するシーンとかもあった。
4時間近くの長い映画であることも似ている。

昔のマフィア大物の聴聞会シーンが当時の新聞記事、ニュース映像付きで出ていたり、
ケネディ大統領がなぜ暗殺されたか、その弟ボビーはなぜ大統領選挙中に殺されたか、
をマフィア側から語るシーンがあったり。
アメリカの歴史を少し知っていると面白さが増えます。
知らないと…まあマフィア映画ですから楽しめないわけではないけど。

題名は、主人公であるデニーロがアイルランド系移民だから、という意味らしい。
アイルランド人はがんこだけど一度友人になったら絶対に信頼を裏切らないとか。
でも、デニーロもバリバリのイタリア顔だからちょっと変。
ハーベイ・カイテルがユダヤ系マフィアのボスで出てますが、
この人は本当にユダヤ系なので不自然さがなくてよかったけどね。

長い時間の映画とゴッドファーザーが嫌いじゃないなら楽しめます。
デニーロの娘ペギー役は、大人になってからは「エックスメン」のローグちゃんでした。

『ジョーカー』世界興収10億ドル突破!R指定映画初の快挙
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=14&from=diary&id=5868611
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