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2019年03月15日15:17

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飲まず食わずを救われた車内販売

前にも書いたことがあるが、某事情で
ほぼ徹夜の上飲まず食わずで名古屋から新幹線に乗ったことがある。
大学生で若かったのですぐに死ぬとは思わなかったが、へとへとでへろへろ。
しばらく眠ったら、平日でがらがらの車両で3人掛けの廊下側に、
新聞を広げたおじさんが座っていた。
で、車内販売のカートが来ていた。
自分は、とにかく何か味のついた元気になるものが飲みたくて、
お金もあまりなかったのでコーヒーを買おうと財布を握りしめて待っていた。
廊下側のおじさんがカートを呼び止めて「コーヒー」と言い、
自分のほうを向いて「コーヒーでいいかい?」と聞いた。
自分はびっくりして「はいいいです」とこたえてしまった。
おじさんはコーヒーをふたつ買ってひとつをこっちにわたしてくれた。
生きててはじめてコーヒーをおいしいと思った。

東京で乗り換えて東北新幹線の中。
意識してなかったが仙台七夕の前の日で、
新幹線はすごく混んでいた。
指定席はまた、3人掛けの窓際だったが、
席に着いたら残りは家族連れで、席を向かい合わせで回してあった。
別に気にしないで座った。
5人家族はお母さんこども3人とおばあちゃんで、みんな楽しそうだった。
自分の向かい側に座ったお母さんは「はじめて七夕に行くんです」とにっこり笑った。
自分は仙台市生まれ仙台育ちの仙台住まいだったので、
「仙台にずっといますよ」と言って自分が知っている限りの七夕情報を教えてあげた。
この通りがきれいだとか七夕が見える食堂は高いから気をつけろとか。
昼時になり、車内販売のカートが通った。
お母さんは家族の希望をきいて駅弁を買い、自分に「あなたは何がいいですか」と聞いた。
いえいえそんな、と言ったけど「遠慮しないで、いろいろ教えてもらったし」とにっこりされた。
釜飯弁当にしたと思う。
最初に書いたとおり腹ペコで、弁当は胃に染み渡るほどおいしく、
いっしょにもらったお茶で血管内を血液が流れる音がしたようだった。

あのとき車内販売のカートがこなかったら、
そして親切な赤の他人様たちがいなかったら、
仙台に新幹線がつくまでに自分はぼろぼろになってホームに倒れたかもしれない。

車内販売と親切な赤の他人様がたに、今も感謝している。

■秋田新幹線など車内販売、15日で終了 乗客は惜しむ声
(朝日新聞デジタル - 03月15日 14:59)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5539537
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