今年もなんとか完走できました。
第一
履正社の打撃が、思っていたより一つ上を行っていたと思う。
奥川が本調子では無かったのは確かと思う。
まあ大会中に２度ピークを作れ、という方が無理があるのだろう。
智弁和歌山戦が本気の奥川であり、もう一度あの投球をする気力も体力も無かっただろう。
あそこで全力を尽くさないと、決勝には来れないのだから、その判断は妥当である。
ただＭａｘの奥川でなくとも、点を入れるのが困難であることは
院中京戦でも明らかである。この場合でも、履正社は４点くらいしか取れないと
思っていたが、５点取れたのは上出来だろう。
ただ交通事故的なＨＲの貢献が大きく、見込みは概ね正しかった。
一方、点を取れるとしても小技やエラー頼みと思っていたところ
長打２本を含む11本安打は期待を上回っていた。
100％の奥川でないにせよ、履正社打線が奥川をある程度攻略したのは
想定を超えていた。この奥川相手に、これほど打てるのは履正社だけだったろう。
履正社打撃力は間違いなく�癸韻世辰燭噺世┐襦�
もっとも、智辯和歌山戦の奥川であれば、履正社をもってしても２〜３点止まり
だったのではないか。また院中京戦で７回まで引っ張った影響もあったと思う。
例えば、このカードが準決勝以前に当たっていればどうなったかわからないと
今でも思っている。
そう考えると３回戦で智辯和歌山と当たって延長14回まで本気のピッチングをしたことが
星稜の優勝を阻んだと言える。あれほどの相手と当たらなければ
一世一代のピッチングを履正社戦にとって置けたかもしれない。
今大会は、星稜・智辯和歌山・履正社が抜けていたと思うが
そのうち２つを倒さないといけない組み合わせになったのは星稜にとって不運と言える。
また智辯和歌山戦で酷使したのであれば、準決勝の院中京戦で登板回避する
勇気も必要だったかもしれない。さらに２日の休養があれば、どうだっただろうか。
仙台育英戦の登板回避は英断だったと思うが、更なる決断が欲しかった。
もちろん、院中京もかなりの相手なので、奥川を投げさせない決断は難しいだろう。
ただ、３回までにそれなりのリードをつけた展開だった。
先発回避の判断は難しかったにせよ、５回くらいで継投することはできたはず。
このわずかな違いが今日の勝敗に影響したかもしれない。
監督として反省と勉強することは、まだあると思う。
履正社打撃陣と同様に、履正社投手陣も期待に応えてくれたと思う。
上向き調子だった星稜打線相手に３失点はベストと言って良い。
清水は今大会かなり投げていたが、今日のピッチングは良かった。
リリーフの岩崎もベストを尽くしたと思う。
両投手とも、後１回多く投げれば相手打線に捕まったように思えた。
継投のタイミングがドンピシャだったと思う。
ここは監督の采配が見事であった。
清水以外に全国で通用する投手が育ったことが優勝の大きな要因だっただろう。
決勝としては、久しぶりにハイレベルかつ緊迫した展開だった。
この３年間は、一方のチームが決勝に上がってきた時点で限界に来ており、
ワンサイドな決勝を見せられた。もちろん、まるで面白くない試合展開だった。
2013年と2014年は、スコア上は接戦だったが、ハイレベルとは思わなかった。
結果的に勝ち上がった２校だが、優勝校としては物足りないものがあった。
両校ともハイレベルで、終盤までどっちが勝つかわからない決勝というのは
私が見始めたからでは、2004年・2006年・2015年くらいだったと思う。
10年に２〜３度の熱戦と言えよう。
そして、今年の星稜であればこの３年の優勝校に勝てたかもしれないと思う。
まあ去年については、大阪桐蔭打線をほぼ抑えられたかもしれないが
柿木と根尾から点を取ることは難しかっただろう。
ただ今年の履正社の打線は、この３年の優勝校より上と思う。
そういうわけで、北陸勢初優勝のチャンスだったのに決勝で当たった相手が悪かった。
たぶん何十年かに一度のチャンスでは無かっただろうか。
非常に勿体ないし、運のない組み合わせだった。
同じブロックに智弁和歌山がいなければ、優勝したかもしれないと思う。
令和の間に、というか自分が生きている間に、北陸地元勢力による優勝を
見ることは出来るだろうか。今年が100年に数回のチャンスだったように思う。
履正社の優勝で、2011年から続く関東勢と大阪桐蔭のいずれかが優勝という流れは
終わったものの、関東勢か大阪勢かのいずれかが優勝という流れは変わらなかった。
せっかくの全国大会なのに、あまり面白くない流れである。
来年は他の地域の優勝を期待したい。
ただ私にとって履正社は近所の学校であり、友人が進学したり
模試を受けたり馴染みの深い学校である。
強くなったのは社会人になった後であるが、大阪代表として大阪桐蔭より応援してたし
特にＰＬが終わってからは、地元勢力中心の大阪代表としてだいぶ肩入れしていた。
長い間、戦力の割に夏の結果がでなかったことを乗り越え、
ようやく夏の頂点が取れて嬉しい。
このところ、決勝は都会でない方の学校を応援しており
それが悉く敗北してきたので、優勝校を素直に祝えない自分がいた。
今年も、どちらか言うと、北陸初優勝を見たかったのだが
私個人としては履正社の優勝も素直に祝福できる。
終わりよければすべてよし。
自分にとって気持ちよく終われた良い大会だったと思う。
やはり決勝はハイレベルかつ熱戦でないと、大会そのものが色あせてしまう。
今大会は、自分の中で良いイメージとして残り続けるだろうと思っている。
満足のいく大会でした。
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