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2019年02月16日04:35

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王様に捧ぐ薬指(3)〜両想いからバカップルへ

「オレ あんなのこと 抱きたいんだけど」と、第2巻の終わりでの告白、第3巻冒頭からベッドシーンだが・・・両想いになった経験がない二人は、意外にもジタバタする。綾華は、言い寄られることには慣れているが、その先まで行った経験がほとんどない。経験豊かそうに見えて、その実、超奥手なのに読者はホッとさせられる。
一方、東郷は、想像通り、女を欠かしたことがなさそうだ。現に綾華に告白している。
「前は 寝るのなんて簡単で テキトーなこと言ってその気にさせて 寝たいから寝るだけで 相手のことなんてどうでもよくて」女とは勝手なもので、王様にはこうであって欲しい・・・なんて思ってしまう。そういう男の隣にいる女も真面目ではない、というか本気ではつきあってないだろう。それに、このセリフがあるから、その後にくる「オレは あんたのこと ちゃんと抱きたい」が生きてくる。

この巻では、ふたりの実家が披露される。すごく対照的な家族だ。
東郷の実家は典型的な郷士の家柄で、体裁とか出自を大切にする。東郷は父が外につくった愛人の子で、本家に引き取られた。ある日、実母を病院に見舞った東郷は、本妻が母に語る計画を聞いてしまった。子どものできない自分に代わって、他の女に子供を産ませる。病弱な女だったら産後すぐに逝くだろう。そして愛人の子を引き取った健気な本妻を演じる継母。作り上げられた虚構の世界を知ってしまった東郷は、それからひとりで生きてきた。すべてを語った東郷に、綾華が継母に対する共同戦線を組むことを宣言する。東郷がようやく「ひとり」でないことを感じたときだった。

一方、綾華の家族は、庶民的で和気あいあいと明るい。全員美形なところが一般的ではないが、わいわいガヤガヤ好感がもてる。

正反対な家族で育ったふたりが夫婦になる。どんな家族ができるのか・・・見ものだ。
それでも王様キャラは健在で、いつものセリフ「阿呆」も連発だった。

王様に捧ぐ薬指(3) (フラワーコミックスα)
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