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2020年04月05日21:06

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《2020館山3》DVNの奇跡、ふたたび

先日、同級生画伯のグループ展へ伺った。
廊主が画伯へ連絡してくれたのだろう。画伯から感謝のLINE。
犬「こんな時に展示を観てくれてありがとうございます。感謝しかありません指でOK
こちらこそ感謝。
蟹座「文化芸術に厳しい時期ですが、いい作品を創作してください」
彼は9.11や3.11をインスパイアした大作を描いている。
終息したのちには、きっと心が震えるほどの作品を描き上げてくれるだろう。
そして、引き続き画伯からのRes。
犬「日本は本当に文化芸術になんの手助けもしてくれません。ドイツは申請すれば、すぐに60万円ほどの支援があるそうです泣き顔
確かに、今日のニュースコラムにも掲載されていた。
日本ではマスク2枚がやっとこさ。そもそも公立美術館を17時に閉めてしまう程度の国。
我が国の政治家たちは、自らの私腹を肥やすことしか念頭にないのだから仕方がない。

《館山3》
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1975234994&owner_id=8666179
(承前)
切っ掛けは安房神社の鳥居横の観光マップ。
これから向かう予定の温泉への導線をチェックしていたところ、目に飛び込んできた《青木繁「海の幸」記念館》魚
ノーチェックだった。黒マーチに乗り込んでスマホチェック。
出てきた答えは「開館日:土日曜」時計
あいにく、この日は月曜日。
えい、パパよ。否、えい、ままよ。とりあえず行ってモニュメントでも観てこよう。

自分でも不思議なほど、他人に親切にしてもらうことが多い人生。
特に芸術に関しては、美術館や作家さんに思いもよらず、厚いホスピタリティを受けることがある。
その中でも昨年11月に経験した『ドリス・ヴァン・ノッテンの奇跡』。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1973681553&owner_id=8666179
日記に書くと薄っぺらになってしまうが、受けた感動は忘れていない。
そして、その奇跡がふたたび。

フォト
館山市指定文化財《小谷家住宅:青木繁「海の幸」記念館》家
閉館中であることは調べた通り。明治時代の古民家と「海の幸」のブロンズ刻画をスマホに収めて、ちょっといたずら心に民家の引き戸を開けてみた。
…げっ、開いてるじゃん。
誰も居ない。それどころか、正面の畳部屋は段ボールが積み置かれ、少々散らかっている。その奥に大きな「海の幸」複製のパネルが見える。
(これだけでもスマホしておくか電球
そう考えていた矢先、背中に声がする。
猫「あの、なにか御用ですか?」
別宅から奥さまの登場。まずい。
さらに旦那さまが連れてくる。やばい。
蟹座「今日はお休み…ですか?ちょっと中が観たくて開けてしまいましたたらーっ(汗)
すると、奥さまから、
ひよこ「先週、古いひな壇人形が見つかったので、少し散らかしてしまってますが、よろしかったらどうぞ」
さらに後方から旦那さんが、
犬「どちらからですか?」
蟹座「川崎から…青木繁の作品が好きなものですから」(←たまたま記念館の存在を見つけたくせに)
犬「お時間あるなら、ガイドしましょうか?」
ゲッげっそりDVNの奇跡、ふたたびか。
フォト
時間はあるし、青木繁を深く知りたかった。何よりも、見知らぬ不審者ごとき(←おいら)に対するご夫婦の対応が、まるで寒い街から知人がやってきたかのようにホスピタリティに溢れている。

詳細を書くのは野暮である。
とにかく、小谷家7代目の娘婿にあたる旦那さん、そして旦那さんが少し私用で自宅へ戻っている間には小谷家5代目の孫娘である奥さまが、おいら1人のために青木繁の作品や小谷家の歴史をガイドしてくれた。
時間にして60分。小谷家を出た時はすでに14時30分。ランチすら摂っていない。

館山市の上層漁家である小谷家。
芸大を卒業したのち、創作旅行として房総半島を訪ねていた青木繁と仲間たち(坂本繁二郎、森田恒友、福田たね)は、旅館に泊まる路銀も使い果たしていたところ、小谷家5代目の篤志を受け、およそ2か月間、この小谷家に滞在する。
この間、青木繁は代表作『海の幸』や『海景』を完成させた。

この『海の幸』の聖地を遺そうという話が出たのが小谷家6代目の晩年、2005年のこと。
文化庁は全く関心なく、民間NPOで寄付活動が進み、特にノーベル生理学賞を受賞した大村智を中心に、全国の著名な画家たちや美術館・画廊関係者から4300万円を集め、修復工事と記念館の設立が現実化した。功績者は7代目娘婿。
公開は2016年から始まっている。

真心のこもったガイドをいただいたことに御礼と感謝を込めて、幾つかの絵ハガキを購入すると、逆に「これはお代はいらないから」と記念館のガイド文集を手渡される。
庭先の記念碑へも足を運び、ついでに庭木の説明へとフルコーラス。
犬「ここから50mほど行った先に『海の幸』のモニュメントがあるよ」のガイドを加えていとまを告げた。
フォト
アーティゾン美術館が今年1月にオープンしたからこその、画家・青木繁の知識ペンギン
一期一会。旅に出られてこその、人との出逢いトイレ

4月になってニュースが届く。
「2019年9月8日の台風被害を乗り越えて開館していましたが、このたびの新型コロナウィルスの感染拡大防止のために、4月〜5月にかけて休館とさせていただきます」
なんということか。とりあえず、最後の訪問者なう泣き顔



■申請2日後に60万円も フリーや芸術家支援 ドイツ
(朝日新聞デジタル - 04月05日 17:19)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6035600

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