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2020年04月02日21:06

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《2020館山1》暴走社寺詣り

「これまでにない」「前例にない」「甚大な」「思い切った」「政府をあげて」「きめ細やかな」「一気に」「大胆な」「力強い」「強大な」「かつてない規模の」マスク２枚。
もはや緊急事態宣言が必要な我が国の総理大臣。誰か、止めろよ。

三密を避け三空を求めて、独りぶらり社寺巡りの旅

手頃な車列のアクアラインからガラガラ快適の富津館山道路で終着冨浦まで。

《那古寺》
観音堂の前広場には近所の中学生が集まってスケッチの準備。
女教師も帯同していたけど、大きなマスクをしていて近寄りがたい。もったいない。

寺務所に寄って御朱印帳を差し出すと、優しい容姿の住職さんから声が掛かる。

「どこから来たね？」

「川崎からアクアラインで参りました

」

「それは遠いところ、ご苦労様。そっちはどうですか？」
主語はないが、当然コロナのことだと理解する。

「徐々に出始めてますけど、近くにはないようです」

「こっちはね、空気もきれいで人ごみもないから、コロナも噂は聞かないですよ

」
ポジティブな会話は心が軽やかになる。特に昨今のようなネガティブばかりの時代には。

《大福寺》
こちらは一転、不愛想のお手本のような住職おやじ。
“平日の朝からめんどうくせぇな～、コロナだろ”のような顔つきで、おいらの渡した御朱印帳を手にして揮毫に取り掛かる。

見どころは『崖観音』。
チバニアンにも匹敵する地層に彫られた摩崖仏は、ほぼ顔かたちなく削げ落ちている。
壁に張り付いた本堂は投入堂の足元にも及ばない。

崖の踊り場にも小さなお地蔵さんがペアで立つ。
一見の価値ある珍寺だ。住職おやじは令和一不愛想だけど。

大福寺と敷地を並べる諏訪神社。
本堂を探しても空き地だけで、社務所は小さなプレハブ小屋。
ここに仮拝殿が置かれて御朱印も書き置きとなっている。
本堂は昨年の台風被害にでも遭ったのだろうか？
手水舎に掲げられた「復興祈願」の奉書を読むと、
「平成28年3月、放火により本殿拝殿を喪いました」とある。
～放火野郎の記事～
逮捕してもらうために神社に放火したとして、非現住建造物等放火の疑いで自称住所不定、無職、大野正勝容疑者（６３）を逮捕した。館山市「諏訪神社」敷地内の枯れ葉や雑誌にライターで火を付け、神社の本殿や拝殿など約100㎡を全焼させた疑い。大野容疑者は「生活費に困っていた。逮捕されたかった」などと供述しているという。

続いては国道を走っていて信号機の表示で存在に気が付いた《鶴谷八幡宮》。
鎌倉の名所と一字違いで、読み方も「つるがたにはちまんぐう」と似ている。
美しい白の石鳥居と掃き清められた参道。
拝殿の屋根に在る木彫りの龍が鮮やかである。
こちらの宮司さんも快く御朱印を受けてくれて、その揮毫も★5．レベルの美しさ。

朝イチから4軒回って小休憩。
そういえば、平常時は「おかげさま」と頭を垂れるのに、コロナ時代には手を合わせても願い事が浮かばない。
平癒を願っても無理な話だし、近親だけの安寧を祈ってもまだ足りない。
これほど混乱しながらの参拝シーンは初めての経験である。
コロナの前に、神も仏もいないのだ。

館山といえば木村ピーナッツ。