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2019年10月17日20:00

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《ラグビーWC4》28-21/The best bout of my life

JPN vs SCO観戦記最終回。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1973333036&owner_id=8666179
(承前)
ダイヤTMO
この試合でのTMOは2回。いずれもSCOの裸婦プレイ、否、ラフプレイをチェックするオフィシャルだった。
テレビ観戦ならば、ピッチ上のレフェリーとマッチオフィシャルが映像を観ながら協議しているシーンが映し出され、マイクを通じて伝わる単語である程度の結果が推理できるが、スタジアムではビジョンに「TMO」とだけ文字が写され、あとはボルタンスキー作品のような心臓音がときめくばかり。

1度目のTMOは29分。
堀江に仕掛けたグレイのノーバインドタックル。
映像では見事なヘッドバットが決まり、堀江の流血というシーンが一度だけ映されたが、ジャッジはイーブンコンタクト。
場内にブーイングが広がった。
自分がラグビーファンである要員の一つがレフェリージャッジが絶対という立ち位置。
ある程度ミスジャッジがあったとしても許すべきであるし、ミスジャッジが認められればレフェリーは素直に「I’m sorry’」と選手に詫びて、ジャッジを即座に訂正する。
この中に観客がブーイングをするスキマは含まれていない。
にわかファンが7割ほどのゴーンスタジアム。次回から気をつけてね。
2度目のTMOは66分。
田村にけしかけたSCO選手に飛び掛かる正義の味方・姫野チューリップ
こちらも喧嘩両成敗でおとがめなし。
日本がペナルティを得ていたので、大きなブーイングはなし。それでよし。

トライ後のコンバージョンやPGショットの際に、スタジアム全体に流れる犬笛のような「シーッ」(Be Silent)のささやきは、いささか笑止に値するが、蹴る瞬間に発せられる「オーッ」という怒鳴り声は、おそらくスコッチファンによるものだろう。
最も恥ずべき行為だし、はしたない。彼1人のだみ声がスコットランド全体のイメージをダークにしているのがわからないようだ。
ただ、これは日本の強さに恐れているからこその愚行と思えば、なんだか誇らしい。
次回から気をつけてね。

スペードレフェリー
37分。
アーリーエンゲージ→ノックオン→アーリーエンゲージと、3つ続けてSCOのファウルが続く。2つ目のノックオンは、SH流のヒジを引っ掛けてマイボールにしたプレイであり、いささか怪しいし、アーリーエンゲージの2つ目もそれほど目立つものではなかったと思う。
これに怒ったSCOのPR1番が、頭に指をとんとん立てて「頭おかしんじゃね?」という出川ポーズと、続けて両手に双眼鏡をあてるようなジェスチャーで「しっかり見ろよ目」とレフェリーにランゲージ。
NZのレフェリーはこの態度を観ながらもレッドカードを取らず、逆に、後半からまるでレフェリーがスコットランド人になったかのようにジャッジの軸足が変えられていく。
ラックを乗り越えてプレイしようが、ラインオフサイドで飛び出そうがすべてスルー。
それでも守り切ったジャパンフィフティーンの防御力は、マジもの凄い。
犬「お約束通り勝ちました。ね。だから言ったでしょ。しっかり守れば、勝てるって」(1989年5月28日、スコットランド戦勝利後、宿澤監督の第一声)

ダイヤルール奉行
前列は50〜60代のおっさんたちが並び、後列にはチケット制限リミットである6人分の若者男女が仲良く並んでいる。
おいらの右隣には綺麗なおねえちゃん。その隣におねえちゃんの彼氏が座り、試合前に桜ジャージーTシャツをプレゼントしてやがる。
でも、生着替えシーンがここで見られるかと期待して鼻血を流す。
そっと、ティッシュを手渡してくれた左側のワイフさん。彼女はおいらの右鼻から流れ出る鼻血の理由を知らない。
結局、右隣おねえちゃんはその場でカジュアルなシャツの上に桜シャツを羽織ってしまった。謀反である。おいらの期待に対する謀反でしかない。
その代わり、鼻血は止まる。

試合中、後方席からワイワイとしながらも要所要所で質問が聴こえてくる。
ひよこ「何で?」
蟹座「スローフォ」
ブタ「何が起きた?」
蟹座「ロールアウェイのアドバ」
猫「あざす(ありがとうございます)るんるん
こういった余計な親切は、右隣のおねえちゃんや左前方のおっさんにまで浸透し、2階席11〜13列目220番台はワンチームになっていった。
ラグビー観戦のテクニックは選手とともに主審を追うことにある。
特に、最近は審判のボディランゲージが派手にアクションされ、アドバンテージのイン・オーバーもわかりやすくなっている。
次回から気をつけてみてね。

クラブウェイブ
前半。誰かの怪我治療でアイドルタイムが生まれ、エンドゾーンあたりからウェイブが動き出した。ラグビーでは好ゲームにウェイブは絶対にご法度。
そもそも、動き続けるボールを追っているのだからウェイブをやる時間もない。
緩慢な時間が多いサッカーや野球とは違って、ラグビーでのウェイブはクソつまらないゲームへの意思表示。グランドでサボる選手たちへの奮起を促す意味をこめて起こすアクションなのだから、このゲームでのウェイブはありえない。
これがおいらのラグビー好き要因5つ目の理由。
結局、生まれたばかりのウェイブはほんの10列ほどで途切れて、その後は一切起こらなかった。ラグビーファンの良識。
次回から気をつけてね。

ハート56分
スコットランドが3つ目のトライを取りJPN 28-21 SCO 、いよいよ7点差。
脳内に備えた「京」レベルのマイコンピューターが「(ベスト8まで)まだ2トライ大丈夫」と弾き出し、安心感をかもし出すが、ワイフさんにこの答えを伝えると「そんなの関係ねぇ。勝つだけだ!」と、小島よしおモードで、おいらの弱気の虫を叩きのめす。
意識改革。勝たなくては価値がない。
ビジョンを見るとまだ56分に入ったばかり。24分も残している。

スペードカウントダウン。
スコットランド、オフサイドさえ無視した怒涛の攻撃を全力でしのぎ、ターンオーバーでり90秒。
ラックを作ってはSHがフォワードに供給して、再びラックを作る。
これを4回、5回繰り返してフルタイムが迫ってくるのを待つ。
10秒前からのカウントダウン。すでに67,666人のほとんどがスタンディングしてこれ以上ない歓声が上がっていたが、80分、フルタイムのホーンが鳴り坂手がスタンドまで蹴りだした。日産ゴーンスタジアムが揺れた。ノーサイド。

涙を浮かべたおいらを「よしよし」な感じで見つめるワイフさん。
前列のおじさんたちが振り向いておいらにハイタッチを仕掛け、それとともに、右隣のおねえちゃんの彼氏が続けてハイタッチを求めてくる。いや、お前ではない手(パー)
まず、右隣おねえちゃんとのハグが先だ。

喜びで意識が遠くなっていながらも、冷静に右隣おねえちゃんとの接触を企てる川オスは、きっといつものおいらではなかったはずだ。
振り返ってみると、両手を挙げてルール奉行とのタッチを待ち構える若者たち6人。
本心は女子だけを選んでハイタッチをしたかったけど、彼らの破顔を見た瞬間、そんな選択は消えていった。
パン、パン、パン、パン、パン、パン。これでよかろう。2階スタンド11列目のワンチーム。
いや、もう1人、通路を越えて向こう側からタッチを求めてきやがった。
初登場のめがねオヤジである。
お前はだれだ。デビルマンに語りかけるような優しさで、遠征してきためがねオヤジにもハイタッチ。
そろそろ、おいらの両手はもみじの葉のように、否、いちじくの葉のように腫れてきた。
そんな歓喜の時間を愉しんでいたら、ピッチではサイド、バック、サイドと手を振ってファンに感謝する世界ベスト8のオールJAPANたち。
その横に並んで整列するスコットランドフィフティーンが、バックスタンドライン際に並んで「お辞儀」をした。
せっかく引っ込んだ涙が、また溢れ出た。

悔しいけど、森善朗に感謝する。彼が生前に果たした唯一の善行、ワールドカップ招致。
いや、やっぱり感謝しない。
功績の高かった宿澤JAPANを地の底に追いやり、ラグビー協会をダークブラックな魑魅魍魎の団体に仕立て上げた森喜朗、そして往年の名レフェリー・真下昇。
『ノーサイドゲーム』で描かれた大泉洋の敵組織モデルが、森喜朗であり真下昇であることは書くまでもない。(←書く)

日本の麗質が世界へと羽ばたいている。
少なくとも、ワールドカップにやってきた19カ国のラガーマンたちに。
犬「英国の4カ国、それから仏、NZ、豪、南ア、この8カ国だけがIRBの正メンバー国。その8カ国に勝つのが日本の夢だった。どれだけ価値があるかというと、本場の名門の国に勝ったという事。今はもうそういうの、少し薄れてきちゃったけれども、当時としては歴史的な事だったのは確か手(パー)」(1989年5月28日を振り返り宿澤監督後日談)

試合後の余韻をスタンドで50分も感じていた。
ようやく手にしたスマホを見るとLINEには「132」の数字がついていた。
試合中に、そしてフルタイム。つぶやきまくるグループラインの中の人たちや、知人たちからのお祝いメッセージ。
まるで、おいらが戦ったかのように、132件のメッセージが踊っている。
すぐに返信しようにも、スタンド中に電波が飛び交っていて通信状況がよろしくない。
少し待っていただきたい。

満席のスタンドをようやく退出できたのが、試合終了50分後の22時30分。
新横浜駅という同じ方向へ向かう数万人が、一生に一度の観戦チャンス、歴史的な一勝を破顔一笑で語り合っている。
ラグビーファンにフーリガンは皆無。雄たけびを上げるような迷惑な連中も目立たない。
新横浜駅へ向かう道すがら、呆然としているスコット人2人。
蟹座「I’m so sorryがく〜(落胆した顔)
ブタ「Oh! Thank you指でOK
ハイタッチは出来なかったが、アイコンタクトでお互いの感情を伝え合う。

JR新横浜駅が入場規制に掛かっているということで、地下鉄ブルーラインに方向転換。
どうせなら、混雑を避けて座っていこうというチョイスは正解なのか、不正解なのか。
慶応大学日吉校舎までたどり着き、タクシーを待つ。
タクシー乗り場にだらしなく寝そべって酔態をさらす慶応大学生。
彼らはこの地でどれだけの醜態をさらすのか、いくつもの悪評ニュースが飛びかっているのを気がついていないらしい。
本学のラグビー部OBである浜畑選手が、このワールドカップを盛り上げている最大の功労者であるというのにペンギン
そもそもアメフトはあれだし。
タクシーを待つこと10分。綱島街道を行き交うタクシーはあれど「割増」をつけた賃走車輛ばかり。予約アプリもないし、牛肉のあぶりもない。
牡羊座「歩くよ走る人
およそ3kmの道のりを大勝利の余韻に浸りながら徒歩40分。
結局、スタジアムから帰宅まで2時間を要することになったが、たとえ5時間要しても大勝利の帰り道に苦痛はない。

10月20日、vs 南アフリカ。
スポーツバーには行かずに自宅観戦という選択にした。
とはいえ、女子15人ぐらいから誘われたらスポーツバー観戦にするかもしれない。
これだけ勝っても、まだ日本のベスト4入りを信じていないおいら。
これがルーレットだったなら、そろそろ破産してるはず。

この10月20日がジャパンラグビーの礎を作った平尾誠治の命日であることは、かなり運命的なこととして自分(←おいら)の心に刻んである。
だから勝つ。勝たねばならない。勝たないかなぁ。



レンチスコットランドの暴れん坊に日本刀を贈呈、ラグビー日本代表リーチ・マイケル主将の粋な計らいが話題に
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=128&from=diary&id=5828709

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