もっと速く！

本日のお客様

某駅の周辺の飲み屋さんから通りに出てきたところで乗車された男女。
二人ともいい感じにテンションが上がっていて、後部座席でイチャイチャ。
とても楽しかった、幸せな時間をありがとう、などと歯の浮くようなセリフで男性にしなだれかかる若い女性。
さっき食べたのであろう食事の話とか、明日何時に起きるとか話しているうちに、男性の家の近くに到着。
ありがとう、楽しかった、またね〜などと別れを告げて、男性は降り、次は女性の家に向かう。

ｘｘ２丁目までというので、もう少し詳しく聞くと、わかりやすい場所を言ってくれて、その後は近くに行ったら指示しますと言われた。
指示通りの道を通って、ｘｘ２丁目という交差点まで来たところで女性が私に指示をくれ始めた。

「そこを左に曲がって、そう、一番左を走って、速く、もっと速く、スピード上げて、ゆっくりだと余計にお金がかかるから。この先Uターンしてもらう所あるから、一番左走って、速く。あ、そこ右。もっとスピード上げて、お金かかるでしょ。ｘｘ駅の所に行きたいから、あ、通り過ぎちゃった。もう、どうすんの。」

いったん車を停めて、確認して、一回メーター止めますねと言った後、停まったところから左折、左折で駅の方への道に。
駅まで来たのでどの辺でお停めしますか？ときくと、駅で買い物したいから、もうその辺でいいと。
支払い、合計ボタンを押してｘｘｘｘ円です、というと。

「ちょっとなんでメーター回ってるの？さっき止まったところまででいいっていったじゃない！」
（いってません）

仕方なく、さっき行き過ぎて停まったところまでの料金より、もう少し下げた金額を提示した。
「もう一体何なの、なんで金額上がってんの。こういうあいまいな所があるからタクシー乗るの嫌なのよ。」
といってお金を払って降りていった。

私は覚えているよ、ついさっきの事だったからね。
貴女の、たぶん彼氏だと思われる、落ち着いた大人な感じの男性が、「これで足りると思うから」つって、貴女が今払った金額より多くのお金を渡していった事。
あとね、貴女が教えてくれた道、遠まわりですよ。
最初からｘｘ駅っていってくれたら、近い道で送ることが出来たのに。
それを今後の為に教えてあげようと一瞬思ったけど、やめた。