mixiユーザー(id:859972)

2019年07月04日15:27

94 view

タクシー運転手への道 その10



私が営業所に連絡して、電話に出た若い男の人が言った。

「あー、わかりづらいんですよね、今どこらへんにいます?。」

場所を説明すると、行き方を教えてくれた。
来た時に最初に通った道だった。
よく見ると確かにビルの1階に大きく会社名が書かれてあった。
駐車場等は無く事務所だけだったらしい。

自分の勤める場所にもたどり着けないでタクシー運転手としてやっていけるのか不安になったが、とりあえず営業所に時間ギリギリで到着した。

入って挨拶をすると、人の良さそうな顔をした課長さんと真面目そうな同じく女性の課長さんと数人の内勤の人達がいた。
自己紹介をすると、

「ちょっと早いから別室で待機してて。」

指定時間ギリギリで到着して内心焦っていたのに、早いってどういうことなのか。
別室に行くと、ほどなくして真面目そうな女課長さんがやってきて書類を渡してくれた。
地理試験用の資料だった。
10時に点呼というのがあるからそれまでの時間これで時間をつぶせという事らしい。

暫く勉強していると、何人か出勤して着替えたりタバコを吸ったりし始めた。
どうやら10時の点呼に出る人らしい。
すこしみんなの会話に耳を傾けながら勉強をつづけた。
10時になり、内勤の人も入ってきて点呼というのを始めた。
要するに朝礼だった。
私には特に声がかからなかったので、様子をうかがっていた。
どうやら見せるだけだったらしい。

内勤の人からの注意点や、挨拶、報告等を経て、全員でシミュレーション的な何かを唱和し、最後に運転免許証を提示して袋を受け取ってみんな出発していった。

点呼が終わっても私はすることが無かったので、勉強をつづけた。
そのうち内勤の人の手が空いたのか、私の所へやってきて、事務所の方に来て欲しいと言われたので事務所に移動。

そこでまた各種書類を書かされ、印鑑を押さされ、明後日からの研修で必要な書類を渡された。
その後またさっきの部屋に戻され、お昼は適当に食べちゃってと言われ、適当にお昼ご飯を近所のコンビニで買ってきてそこで食べた。
結局昼の1時までほぼ放置されていた。

少しばかりの不安を覚えつつ、まあ勉強の時間を貰えたのだと思い、地理試験の勉強をしていた。
すると、人のよさそうな顔をした課長さんがやってきた。
それでは、ということでタクシー運転手として今回この会社で働くうえで気を付ける事や心構えをだいたい1時間くらい話してくれた。
そして地理試験と、研修について説明された。
研修については本社でも言われた通り、大変だろうけど頑張ってと言われた。
この研修について、あちこちから煽られている感じがヤバイ感を掻き立てる。
そして明日は、その研修を終えて、戻ってきた人が営業所での同乗研修なので、それに一緒についていってくださいと言われた。

そして3時前に、もう帰っていいと言われた。
なんて楽な日給一万円だろうか。
最後に、どうやって来たのか聞かれたので、車で来てコインパーキングに入れたというと、明日は会社の駐車場に止めて良いと言われ、場所を説明された。
300mくらい先に大きな駐車場があり、そこを借りているらしかった。
なるほど見つからないわけだ。

そして翌日、今度は迷わずに営業所にこれた。
挨拶をして、また同じ部屋で待っていると、今日から営業所研修の新人さんが挨拶をして入ってきた。
私が、明日から研修であることを知ると、彼は真顔でこう言った。

「あそこ、ヤバいですよ。」


1 3

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年07月>
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   

最近の日記

もっと見る