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2019年06月22日06:58

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タクシー運転手への道 その6



前職から紆余曲折あったが、やっと入社日を迎えた。
各種書類を揃え、少し眠い目をこすりながら本社に行った。
車で来ることが禁止されていた為、電車で行くことになったが、半端ない満員電車で初日から心どころか、足と腕が折れそうだった。
こういう満員電車に乗りたくないからドライバーになるんだが・・・などと心でぼやきつつ、本社に到着した。
日々ああいうのを乗り越えて出社してる人たちは本当に心が強いと思った。

さてもみくちゃにされたスーツを直しながら本社の指定の部屋に入った私を迎えたのは、この間丁寧に説明してくれた人だった。
おはようございますと挨拶をすると、座る場所まで案内された。
そこでまず書類の確認をすることになった。

私と同じ日に入社の人が5人いた。
殆ど私と同じくらいの年齢だったが、一人だけ若い人がいた。
入社式、と聞いていたのだが、みんな必死に書類の確認をしている。
丁寧に教えてくれたおじさんが、みんなの書類を確認して回り、入れる順番やらわからない部分なんかを説明していた。

驚いたのが、私以外の全員が何らかの書類の不備があったという事だ。
あれだけ丁寧に説明を受ければ、間違えようがない気がしたのだが、契約書は2枚作成しそれぞれに割り印、というのも1枚しか作ってきてなかったり、持ってくるべき家族関連の書類を持ってきてなかったり、心の中で、ちょっとそれはありえないでしょ、というような間違いをしている人がいた。

「それ前回ちゃんと説明しましたよね?」

と、おじさんが、丁寧だけどちょっとイラついてるのがわかる口調になっていた。

おかげでどんどん開始が遅れていた。
そのうち偉い方々が何人か集まってきた。
どうやら式はちゃんとあるらしい。

入社にあたっての心構えや、タクシー運転手という職業について、今後受けるであろう研修についての話をされた。
そして今日は書類を提出出来たら、午後に地理試験についての対策勉強会なるものが開かれるらしい。
その勉強会の間に、事務所の人が書類を確認するのだ。
要するに待ってもらっている間の時間つぶし的な。

いったん解散になり、ご飯を食べて1時に戻ってこいと言われたので、一人で外に出た。
周りを見回すが、近くに何もない。
私は少し歩いてみることにした。


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