1939年11月8日、恒例のミュンヘン一揆記念演説をヒトラーは、いつもより13分早く切り上げた。
その後、仕掛けられた時限爆弾が爆発するが、ヒトラーは難を逃れる。
逮捕されたのは平凡な家具職人の“ゲオルク・エルザー”
彼は早くからヒトラーの危険性を察知していた。
この映画は独裁者ヒトラーに暗殺を企てた彼を英雄者として賞賛した話ではない。
また、ヒトラー個人を断罪するものでもない。
独裁国家の誕生により国民全体が狂気へと走り、徐々に個人の自由が奪われていく。
そんな当時の情勢を背景にエルザーが暗殺を企てるまでの動機と過程を克明に描いている。
知られざる歴史の裏側として、ドイツが戦後まで長く隠し続けた衝撃の実話である。
事件後の尋問と過去の出来事を交差させた展開手法は非常にうまい。
また、拷問シーンは目を伏せたくなる描写もあるが、僅かながらドイツ戦車工場の生産ラインやユンカースの飛行シーンを実写で見せてくれる。
ところで、この映画は10月公開だったが、地方では上映してくれる映画館が無かった。
しかし、今月になってミニシアター系の劇場(シネマ・クレール)でやっと鑑賞出来た。
良く出来た映画なのに、ちょっと残念に感じた。
ログインしてコメントを確認・投稿する