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2020年01月08日12:11

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ご質問への返答を差し上げます!

私の日記はあくまでこの私の「個人の記憶」として記しているものであり、端から見ればどうでも良い内容の数々の筈だと思うのだけれど…? 
時にその内容次第では「ご質問」な Message をいただく事もあり、いただいたからには出来る限り丁寧に個別で返答を差し上げていた、のだけれど…? 
我が家の Audio に関して、不思議なくらいに「ご質問」な Message の多くをいただいた下記の2件に関しては、本日の日記にて「まとめて返答します」とさせていただきたい。
で、ご質問が多かったその2件とは…
 BH(Back Loaded Horn Speaker)に関して
 前回の日記に記した Rear Speaker に関して 
…なのだけれど、本件、後述の説明にて「返答をさしあげます」とさせていただきたいのである。
 
なお、毎度の事で文章表現は「この私の主観」が基本である事を充分にご理解のうえ、あくまで「ご参考まで…」に留めていただければと存じております。
加えて、Audio の世界で個人個人の疑問や不満に明確な「正解」が無いことぐらいは「当たり前だよ!」をご理解される大人な方への返答であること! …も、ご承知おき願います。
 
では、いつもの調子で日記を記す。
 

フォト

先ずはその BH から…。
写真は我が家の “D-37” という BH である。
我が教祖様(Audio 評論家の故・長岡鉄男氏)が設計された…
 Fostex 製の “FE168 Super” に最適
 同じくで “FE168Σ” でも(一応は)使える 
…という、直径 16cm の Full Range Unit 専用の BH としては傑作中の傑作! 
一般家庭向けで考えると、これぞ「丁度イイ大きさ」または「この大きさが上限」なのでは…? 
床面積が10.5畳しかない我が家の Audio Room では、これぞ「丁度イイ大きさ」である、と共にやっぱり「この大きさが上限」のように思う。
他の BH もあれこれと検討したけれど、やっぱり “D-37” こそ、この私と我が家に一番適している! …という結論に至り、私も自分でこれを工作(Copy)した次第である。
そもそも BH(Back Loaded Horn Speaker)って何っ? …というご質問が少なくなかった事に「べっくらこいた」のだけれども…? 
まぁ〜、それも追って説明しよう。
 
その昔、大出力の Amp. なんぞ存在しなかった。
そう! 
まだ真空管 Amp. が普及し始めた頃だ。
米国の大きな映画館ですら、せいぜい 5W 程度という最大出力の Amp. だった頃の話である。
こんな Amp. で、客席の隅々にまで届く大音量を出すには、どうしたらイイ…? 
その答えは、猛烈に能率が良い Speaker で音を出すしかないのだ。
以前の日記にも記したけれど、Speaker の能率(dB/W)と Amp. からの出力(W)で比較すると…
 88dB/W で 80W
 91dB/W で 40W
 94dB/W で 20W
 97dB/W で 10W
 100dB/W で 5W 
…のいずれも、Speaker から出る音の大きさは同じになる。
能率が 88dB/W の Speaker に 80W もぶち込んだ音は、能率が 100dB/W の Speaker ならばたったの 5W で同じ音量を得られる! …ということ。
ん〜、この差はデカいぞ! 
では、そんな高能率な Speaker Unit とは…? 
軽くて丈夫な振動板、そして強力な磁気回路、これに尽きる。
ところが、こういう猛烈に高能率な Speaker Unit には「低音再生が不得意」という難点も付き纏う。
そこで、それを補おうと考え出されたのが BH である。
言い換えると、BH に「不向き」な Unit は沢山ある。
前述のとおりで、相反する「重く軟な振動板」で「弱い磁気回路」では BH には不向きなのである。
何故か言うと、BH が故の Horn の動作を抑制出来ないどころか、Horn の影響をもろに喰らってしまうのだ。
そういう Unit を BH にすると、限度を超えた「だらし無さ」で、もう吐き気を誘われるくらいの「酷い音」になってしまう…。
一方、BH 向きな Unit の音がこれまた面白い。
とにかく High Speed で、一切の「もやもや」やら「かったるさ」が無い! 
自動車に例えれば、超軽量で高剛性な車体に、凄い Engine Power と Brake 性能も併せ持つ “F-1 Machine” のような感じ…? 
瞬時に加速し、瞬時に止まる。
Straight も Cornering も抜群の High Speed! 
軽くて丈夫な振動板に強力な磁気回路とは、そういうこと。
重量級で Diesel Engine 、ふにゃふにゃ足回りな大型 SUV の「鈍臭い加速」と「ふらふらの車体」こそ、BH には「不向き」なのである。
だから、入力信号のとおり正確に動く F-1 Machine のような振動板の Speaker Unit こそ「本当の音」に近い音を奏でてくれると、私は確信している。
だから、大好き! 
なんだけれども、いかんせん低音再生が難しい…。
 

フォト

そこで BH なのだけれど、その基本構造を解り易く示してくれたのが、これっ! 
写真は「ナル工房の日々」さんから拝借したもの。
これが BH の基本構造である。
Speaker Unit は比較的に小さな「空気室」という箱に収まる。
この空気室には「穴」があり、これを Throat(スロート)と言う。
この Throat からラッパのように末広がりで続くのが Horn(ホーン)であり、Speaker Unit の後ろ(裏面)側で Horn が伸びるから BH(Back Loaded Horn Speaker)なのである。
 

フォト

その BH の全てを「箱」な形状に収めた場合、その断面図はこのようになる。
写真は Wikipedia さんから拝借したのも。
 

フォト

黄色く示したのが前述の「空気室」である。
 

フォト

Pink 色のところが前述の「穴」と表現した Throat だ。
その Throat 以降で青く示したのが Horn であり、図のとおりで徐々に「Horn 断面積」が広がっているのが判る。
これで、前述の「猛烈に能率が良い」んだけれども「低音が出ない」という Speaker Unit の低音不足を補うのである。
 

フォト

我が家でも大活躍中の “D-37” という BH の設計図(組立図)が、これっ! 
写真は「手作り王国 SPIサウンドプラザ井田」さんから拝借したもの。
これを前述のように色付けしてみると…? 
 

フォト

このようになる。
黄色の部分が「空気室」で、Pink 色のところが空気室の「穴」である Throat だ。
Throat 以降の Horn は青く示したこのとおりで、直線的に段々な形状にて末広がりな Horn であるのが解る。
この “D-37” という BH は、前述のとおり「FOSTEX 製の “FE168 Super” に最適」な設計になっている。
空気室の容積、Throat の断面積、Horn の長さと広がり係数、これらの全てが使用する Speaker Unit に対して専用設計になってしまうので、他の Unit への汎用性は難しい。
同じく FOSTEX 製の “FE168Σ” でも一応は使えるけれど、出て来る音は “FE168 Super” のそれと全く異なる。
いや、どうしても異なってしまうのだ。
“FE168Σ” だと、低音は「ふっくら」と豊かで、高域まで全域で MILD な音になる。
その代わりに Speed 感は大きく失われてしまい、圧倒的な瞬発力などは期待出来ない。
もちろん「これの方がイイ!」という方もいらっしゃるであろう。
出て来た音が「自分好み」であればそれでイイのであって、他人様の嗜好にケチを付けるつもりは無い。
けれども、その “FE168Σ” はいまひとつ「BH 向きではない Unit」なのだ。
圧倒的な瞬発力、特に High Speed な低音を期待するとなると、使用する Unit はやっぱり超強力磁気回路の “FE168 Super” でないと駄目! …なのである。
 

フォト

その Horn End に近い、赤く示したこの部分は「どうなっている?」のかと言うと…。
 

フォト

このように砂利を埋める事で「Horn な形状」を維持すると共に「重量 Up」という一石二鳥を目論む設計になっているのだ。
正面側の Horn の最後は板の厚みも段階利用した開口部という、この合理的な設計が素晴らしい! 
 
けれども…? 
そんな「直線的に段々な形状」の広がり方で、本当に Horn になるの…? 
…と思われる方も少なくないようだ。
もちろん、理想は金管楽器のような Smooth に末広がりなのは当然のこと。
当然と言えど、箱の中の折返し Horn でそれを素人が自作するのは不可能であって、どこかで妥協しなければならない。
妥協と言えど、空気というのは Speaker の立場から見ると不思議な存在(物質)で、結果的に Horn な形状であれば「大丈夫」な場合もある! …のである。
言葉を濁してしまうのだが、考えに考え、計算し尽くされた BH ならば本当に大丈夫なのだよ。
我が教祖様が設計し発表された BH の数々は、日本全国の「長岡教」信者が Copy(自分で工作)している。
何故ならば…? 
その「直線的に段々な形状」の広がり方であっても Horn としてしっかりと機能しているからだ。
しかも、我々のような素人を相手に、板取りでも一切の無駄の無い設計も素晴らしい。
妥協を出来るところは怖いくらいに妥協するも、ここは絶対なところはしっかりと死守という、我が教祖様の本当に「緻密な設計」には何度も何度も感銘させられた私である。
 
BH は自作する(板を買って裁断し、それを組み立てる)しかないの? 
これに関しての答えは半分が Yes であり、半分は No だ、としておこう。
我が教祖様の設計どおりに、更には自身の Idea も加えるとあらば、自作するしかない。
けれども、近年は板材を Cut 済みで「組み立てるだけ」な Kit もあれば、完全に Complete な BH も販売されている。
中には完全な Order Made にも対応してくれる業者さんも存在するくらいだ。
こうなると「自作する手間」からは開放されるけれど、楽した分はそのまんまお値段に反映されるのは言うまでもない。
加えて Unit への汎用性が高い BH ほど、その Unit に限った「本当の性能」を引き出すのは極めて難しい。
その理由は前述のとおりであって、本来は「その Unit 専用で設計するべき」なのである。
 

フォト

ところで…? 
これを初めて目にした時は驚いた。
驚いたどころか、ある種の感動を覚えたくらいだよ。
写真は「小寺信良の週刊 Electric Zooma! 長谷工」さんから拝借したもの。
折返し Horn であろうとも、その「直線的に段々な形状」ではなく Smooth な広がりの音道(Horn)に驚愕! 
もうどうよ、これ…? 
 

フォト

矢印の先の Pink 色のところが Throat で、以降は(折返しながらも)滑らかな形状の Horn が素晴らしい! 
よくぞ「この工法」を思い付いたもんだ。
 
BH という Speaker System はとにかく、その設計が難しい。
多くの有名な Audio Maker が未だに「手を出さない」理由がそこにある。
いや、その昔は一部の Maker にちょこっと有ったけれども、現在は事実上「絶滅」である。
出て来る音も「好き嫌いの嗜好が極端」なのが BH であって、大手さんからすれば「うま味が無い商売」なのであろうよ。
けれども…? 
21世紀の今でも、BH に喜ぶ私のような人間が日本中に存在する。
設計が難しくあろうと、その Speaker Unit を Full に使い切る設計の BH であれば、何物にも代え難い「素晴らしさ」を得られるのだから…。
我が家の “D-37” が奏でる、圧倒的に High Speed な重低音! 
これと同じを奏でる Maker 製の Speaker System が有るとすれば…? 
そのお値段、1台で何百万円するのやら…? 
そう考えると、自作で苦労するのは「お安いもんだ!」が私の価値観である。
もちろん、湯水のように Audio へもお金を使えればその限りではないのだろうけれど…? 
上手に自作すれば、驚きの High Cost Performance! 
それどころか Ultra High C.P. な可能性も秘めるのが自作の BH なのである。
出て来る音には好き嫌いがはっきりと分かれてしまう BH だけれども、私は BH の音も大好きなのだ。
 
BH に関する「ご質問」への返答は以上である。
 
次は前回の日記に記した Rear Speaker について…。
…なのだけれど、アンポンタン mixi の「本文を10000文字以内で入力してください。」という身勝手な都合により、ここまで! 
 
次回に続く。
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