舞台となるのは1961年のニューヨークはグリニッジ・ヴィレッジでの売れないフォークシンガーの物語。
寝るところもなく友人やその日出会った人の家の泊めてもらうような超貧乏生活。
ガスライト・カフェでの食いつなぐような毎日でこれといった大きな野望を持っているわけでもない。
そんな男の約1週間程度の多少の変化ある生活をコーエン兄弟が愛情込めて作り上げた映画ってところだろう。
まず映画の冒頭、ガス・ライト・カフェで1曲丸々歌うシーンから始まる。
ここってディランのライブ・アルバムでも出てきたところじゃないかってことでまず個人的には感動。
その後も古い民謡やトラッドにフォークと良い音楽がいっぱいかかるわけだ。
音楽好きの僕にはたまらんし、この映画にとてもとても良い効果を及ぼしている。
この映画の元はディランもあこがれたといわれてるデイヴ・ヴァン・ロンクというフォーク・シンガーの回想録をコーエン兄弟が脚本化し映画にしたってことらしい。
回顧録を読んだわけではないが、そこからインスピレーションを受けた程度でデイヴ・ヴァン・ロンクという人の物語ではないんだと思う。
映画のラスト、どう見てもディランらしい男がガスライト・カフェで歌う。
いやいや声がディランだ。
こういうところの味付けも利いていて、とてもとてもうれしく、楽しく、心ときめいて観させてもらった映画でした。
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