一部で流行して、地元オーディオ仲間もロイヤル産業の励磁型スピーカーユニットを使っています。
http://www.royalsangyo.co.jp/field-coil
多くがマグネットではなく励磁型(電磁石型)の方が音がいい、マグネットもアルニコ磁石がトップというのがほとんど通説のようなのでそうなのでしょう。
ハイエンドスピーカーのフランスのFOCALもトップエンドのウーハーは励磁型でした。
しかし、励磁型スピーカーを30年使ってきた立場からは、一般には到底オススメしません。
なぜか?
電源の構築が極めてやっかいだからです。
ご承知のとおり電磁石にDCで大電力をブチ込まないと強い磁力が得られせんから、電源部はパワーアンプ以上の規模のものになります。
写真は常用のWestern Electric TA-4181系励磁型ウーハーへの励磁電源です。
電源部だけでアンプ1台分です
これもトランジスターの安定化電源、車用のバッテリーなどいろいろ試しましたが駄目でした。
これらでは音が出るだけで、楽器の音にエッジや芯がきえて、ナヨナヨとした幽霊のような低音楽器に。
ドラムの音がもはや成立しませんでした。
ボイスコイルに投入される音楽信号電力で励磁回路が揺すられたことに対応できない(バッテリー)、揺すられ始めると矯正が繰り返されるもはやサーボ回路(安定化電源)相当だからと想像されます。
この電源部も整流するタンガーバルブ整流管の吟味から大変です。
必要電力が取れれば足りるものではなく、消耗によって確実に音は劣化します。
本当にいい選別されたタンガーバルブなど10本に1本あるかないかで、市場に出回りません。
平滑コンデンサーは日本製では音質的に使えるものはなく、米国GE社から現在Western Electricの電解コンデンサーに並列に米AEROBOX社のオイルコンデンサーをかましています。
左の大きな銀の茶筒クラスのものがそれです。
ウエスタンラボによると、本家Western Electricの励磁電源では音が悪く、電源の平滑が不十分なまま給電してしまったのが原因だとか。
その対策としてすでに電源回路にあるチョークトランスに加えて、片ch2個の合計4個のWestern Electricの大型チョークトランスとコンデンサーでDC電源への平滑を徹底させます。3段チョークトランスという威容となっています。
ハイエンドパワーアンプでも電源部の平滑回路のチョークトランスは通常1個、2個が稀なら3個なんてまったくないのではないでしょうか?
コストだけでも、上記にかかったものは軽く片手を超えてしまいます。
皆様、ここまでやって励磁型スピーカーにチャレンジされますか?
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