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2020年04月02日04:44

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オーディオのどんなところを聴いているか

ステサンには技術者、開発者のインタビューが掲載されていていつも楽しく読んでいます。最新の春号にはオクターブやファンダメンタル、ELAC,オルトフォン、LUX、SAECなど。

オーディオは過去の電気体験、音体験、音楽体験によって、技術者、開発者ですら聴いている部分(脳で音、楽器の音、声として認識しているもの)が違うのではとほぼ確信に至っています。

自分のような音楽を聴く上でリズムを重要視する立場からは、かつての家電メーカーがそれぞれのブランドで出していたオーディオ、特にスピーカーはリズムが鳴らない、今の日本人が作ったスピーカーもその傾向があると。

今もオーディオ技術者は、子供のころラジカセでFMを録音してオーディオに興味を持ち・・・というパターンが内外問わず多いことに気づきます。

他方、音楽をやっている中でオーディオに興味を持って、オーディオにというパターンは少なく、春号ではファンダメンタルの鈴木社長だけでした。

これは何度か書いてきたので、どうしてそんな聴き方になったのかをまとめれば、自分のオーディオレビューの背景としてご理解いただけるのではと思い立ちました。

ラジカセしか買ってもらえなかったので、内蔵スピーカーより、イヤホン端子から外部スピーカーに出した方が音質が上がる(レンジが広がり、より多くの音が聞こえる)。

自作スピーカー、そうして中学の技術家庭で、同級生がAMポケットトランジスタラジオかインターホンキットを組み立てる中、自分は趣味と実益も兼ねて、フォノイコライザー、高低のトーンコントロール、ラウドネス回路まで奢ったトランジスタープリメインアンプを組み立てたことも書きました。

オーディオは音楽に興味もなければ長続きしないのでしょう。
同じ位音楽(ロック中心)にも興味を持って、中学時代にドラムを手に入れて叩き出したのも同時並行でした。

そうして高校に進学すると、朝日新聞、日経、スポーツ新聞といった地方では地方紙ではなく、マイナーな全国紙の新聞配達の給金の割が良くて、ようやく市販のオーディオを買えるようになりました。

そこで揃えたのが、トリオのFMチューナーKT-80、山水AU-607Fextraというプリメインアンプ、PIONEERのカセットデッキ、山水のレコードプレーヤー、ONKYOのM55マーク2という小型2ウェイのスピーカーでした。

バンド活動も引き続きで、ドラムというのは奥で目立たず、地味なのにたくさんの太鼓やシンバルなどを揃えなければならず、カネが一番かかる楽器かもしれません。

そのため人気ないので、ドラムレスバンドが結構あちこちの高校にあって、文化祭のときにドラムだけ頼まれるようになりました。

どちらもオリジナル曲はほとんどなく、当時流行していたROCKだったりPOPSだったり、邦楽洋楽様々・・・

楽譜を貰えば、その場で直ちに叩けるようになりましたが、楽譜集があるのはごく一部の楽曲。

ほとんどは耳コピーという、オリジナルのレコードを聴いて各パートを耳から覚えるということになります。

うちのオリジナルバンドは3人でベースがボーカル兼用。いずれの家にもオーディオがありました。
シスコンと呼ばれた、家電メーカーのセットモノ。

ギターの家にはソニーのが。
スピーカーはドロンコーンが付いたもの、ベースの家はたしかシャープの安めのもの。

うちのがもしかしたら一番高かったかもしれません。

ところがドラムとして求める、バスドラムや、一緒にリズムを作るベースのピッチがわからないのです。

西洋音楽はベースのピッチの変化点がリズムになるので、これではとても耳コピーしにくくくて困りました。

他方のオーディオ。
当時の大人も含めた夢のオーディオのスピーカーは日本製ではなく、アメリカのJBL社の4343とかイギリスのタンノイ社のレクタンギュラーヨークなど。

いずれも当時の為替からも150万前後して、大人でも、もちろん高校生の自分に買えるわけがありません。

セカンド人気がヤマハNS-1000MM JBL4311などのブックシェルフ(今ならフロアタイプ?)。

これらが2本で20万前後くらい。

これでも高校生にはきつい。

そこでサードなJBL4301という当時のアメリカFM曲の卓上モニターで多く使われたというモデルをそれでも新聞配達で貯めたカネを全てはたいて買いました。

ここからですね。日本のスピーカーと海外のスピーカーの差を大きく意識したのは。
このJBLなら上記バスドラムの音色、叩き方からベースのピッチがはっきり自然に聞こえたのです。

それからバブル期にはそれこそ100万単位の国産スピーカーまでたくさんの日本メーカーのスピーカーを聴いてみましたが、ことリズムに関する限り、ドラマーとして理解できる音質で鳴っていたモデルは一つもありませんでした。

最近です。地元オーディオ仲間宅でのカーボンウーハーのヤマハNS-1000X、さらには最新のNS-5000,あるいはTADの一連のものなどではリズムがはっきり聴こえます。

この意味もなんとなくわかります。
今BSを中心に、日本人の歌謡曲からPOPS、ROCKライブ中継。欧米のそれらの中継を比較するとすぐにわかります。

同じスピーカーで聴くわけですから、環境ではなく、音源そのものの性格として、日本のそれらからベースラインを聴くのは苦労するかそもそも聴こえません。
欧米のははっきり聴こえます。

そのくらいベース、バスドラムなど低音楽器の捉え方が欧米人と日本人では違うのですね。

オーディオエンジニアも、ドラムやベースの経験でもあれば気づくのでしょうが、これがなくて、電気系への興味が中心。
それまで国産オーディオ中心に聴いてきたなら、上記の日本人音楽番組Producerの感覚のまま、音決めされていると想像できます。

つまりリズム音痴、低音音痴のままの音作り。それが自分が感じてきた昭和から平成の日本家電メーカーのオーディオの音です。

ヤマハだけは例外だったのは、楽器メーカーとしても存在しているのも大きいのかもしれませんね。

長くなりましたので、次回はレコーディング・エンジニアの立場からのオーディオも体験してきましたので、これを記したいと思います。

ご拝読ありがとうございます。
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