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2019年11月21日10:04

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現代スピーカーのバスレフの意味

愛用のソナス・ファベール/アマティ・トラディションのリアバスレフポートです。
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この大きなスリットが背面の上から下まで3ヶ所に開いています。

下のはダイナミックオーディオの川又ルームで自分が撮影したものですが、わかりにくいので、オーディオ店の写真を借用しました。

リアにバスレフは遅れて、尾を引いて、膨らむ共鳴低音は後ろに逃がして耳に感じさせなくする配慮なわけですが、ソナス・ファベール社の本当の目的は知られていないようです。

これは設計者のパオロ・テッツォンにも質問して同意いただいていることです。

後ろに行ってこの穴に耳をやれば、盛大に中高域の音が聞こえます。

あえて漏らしているのですね。

日本のオーディオマニアはバスレフポートからの音漏れ、中高域が出ることを嫌いますね。

ところが、パオロ・テッツォンは後ろにわざと漏らしている。

これは生楽器やマイクの指向性を意識したものなのですね。

単一指向性でも後ろの音をマイクは拾いますし、生楽器の大半は無指向性。

同じように前だけではなく、後ろにも音を出してまるで生楽器の発音のように。

そうして逆マイク指向性特性と同じようなことをスピーカー側でも行って、音場を徹底的に出してやろうという工夫なんですね。

バスレフ型の現代ハイエンドスピーカーは見える範囲にバスレフ穴はないことはこんな意味もあります。

前にバスレフポートの古い国産ブックシェルフや青いJBLなどが音場が出ない理由の一つです。(JBLはホーンという致命的な問題もありますが)

なお、上下とリアがこのように金属なのは、徹底的な剛性確保のためです。
しかもリブを付けて、金属剛性をさらに上げています。
音圧に耐えられる強度設計です。

ソナス・ファベールというとまるでタンノイのような楽器型と誤解されていますが、箱は徹底的に制振され、剛性では金属エンクロージャーの各社に近いことをやる最先端思想です。
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