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2019年10月21日07:52

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著名指揮者たちをゲルギエフが評すると

以下無名時代のゲルギエフと初対面で朝4時まで飲み明かしたNHKモスクワ元特派員小林和男さんの著作と藤田真央ピアノリサイタル後の講演からです。
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本は1冊を90分で読了させるななめ読み。講演はメモを取りませんで、記憶だけですので不正確な部分があります。
()内は自分の解釈です。

・フルトベングラー
彼の指揮は完全な部分と不完全な部分がある。
つまりパーフェクトではない部分がある。
しかし、これは彼の表現の聴き方ではない。
1曲全部通して聴いて、彼の意図はどこにあったかを掴むべきだ。彼の曲は人間の身体みたいなものだからだ。
(木を見て森を見ずではいけない)


・カラヤン
その指揮はほとんど完璧で神にも似たクオリティーを持っていて、すべてがパーフェクトだ。パーフェクトと言ったが、それはハイクオリティ・サウンドの意味だ。


・バーンスタイン
すべての指揮者の中で一番予測不能の指揮者。
若い人たちだけのオーケストラは、自分たちがどう演奏したらいいかわからないまま彼の
指揮を受ける。
バーンスタインはその若者たちを思うがままに導いていく。バーンスタインとオーケストラのコンタクトは完璧だった。
(ラプソインブルーなどのジャズ曲から映画音楽などまで作曲したバーンスタインの音楽的、環境的背景もあろう)

・ムラヴィンスキー
なぜ彼から指揮法を学ばなかったのかの問いに
シェスタコービッチやプロコフィエフの曲をソ連共産党が批判する中、ムラヴィンスキーは共産党とのつながりを巧みに避けることが出来た数少ない音楽家。
共産党はクラシックの力を政治的に最大限利用したが、ムラヴィンスキーはそういう政治劇場で指揮することはなかった。
師弟関係にならなかったのは、彼は指揮者で教授ではなかったからだ。
ドイツ文学にも精通していたムラヴィンスキーはドイツ語のようにけじめの厳しい性格で、オペラなどは一度も振ることはなかった。


・ゲルギエフ(小林さん評)
プーチンと同じく時間を守ったことがない。守るという意識がない。
たいした準備もしないでリハーサルに望むと悪評されることがあるが、正確ではない。
彼は作曲者の精神性を理解して再現するのこそ指揮者の本旨と心得ているから。
その精神性の理解力と表現にかけては随一。
一度として前日と同じ指揮をすることはない。

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