4年に1度のチャイコフスキー国際コンクール、ピアノ部門で第2位の受賞記念の表記コンサートから帰宅しました。
今回は同コンクールの主幹でもある識者、ワレリー・ゲルギエフの無名時代から親交が深い、NHK元モスクワ特派員の小林和男さんの解説付という素晴らしい催しでした。
藤田真央さんの名前はぜひ覚えておいてください。
小学校までは長野県上田市に育ち、お父上は長野市内の有名病院勤務の医師であられます。
その病院院長先生は何度も飲みに行ったことのある仲間でもあります。
小林和男さんによると、ゲルギエフに会うと「この人物に注目しておけ」と言われるそう。
無名だったアンナ・ネトレプコもそうだったと。
「人材を育てることが私の恩返し」が彼の口癖。
ゲルギエフは10/8ロンドンで藤田さんのチャイコフスキーの1番を振った。
世界に向かって「注目しておけ」の彼からのメッセージとされる。
ゲルギエフの予言を全国のどこよりも早々と聴ける長野は幸せとされた。
彼の実力はショパンのスケルツォ全曲で発揮されました。
コンクール主義ですと、テクニックはあるが、型にはまった演奏で、自分の色が出ていないのではないかと覚悟して望んだら、いい意味で裏切られた。
ゲルギエフも小林さんも、藤田さんはモーツァルトだという。
椅子に座るか座らないかですかさず演奏が始まる。
普通はワン呼吸置いてからがほとんど。
ゲルギエフが目をかけたのもすぐにわかりました。
劇場的で、動画的、演劇的な演奏で唯一無二のスタイルが10代にして出来上がっています。
技術を超越しているのですね。
こんな例は知る限り五嶋みどりさんくらいしか知りません。
パンフでの曲解説は彼自らです。
そこにある作曲者の精神性を理解して演奏はゲルギエフの指揮の基本価値そのものです。
アンコールは4曲。最後はベートーベンの月光。
台風19号でメタメタにされた長野に月光がさして回復して欲しい願いから弾きますと。
ものすごいピアニスト、それも世界的逸材クラスが日本から誕生したことを耳で理解できた瞬間でした。
ログインしてコメントを確認・投稿する