本日まで開催の松本の地元オーディオ店主催のESOTERIC&TANNOYのトップエンド機種を聴くという試聴会に参加してきました。
TANNOYはキングダムロイヤル・カーボンブラックという1本510万のスピーカーだけで2本で1千万超えという、TIASとかダイナミックオーディオのマラソン試聴会クラスでないとお目にかかれないモデルです。
150Hzから20KHzの可聴帯域の大半はTANNOY伝統の同軸に、ドライバー部分を3インチドライバーとして700Hzからの再生を力強くしたものだそうです。
そこにサブウーハーとマグネシウム合金のスーパーツイーターを加えたものです。
デザインはTANNOY技術が日本のTANNOY使いのエンスー宅を訪問したときに、オーナーが所有していたベントレーの車内内装デザインに感銘を受けて本皮などの使い方を参考にされたとか。
プレーヤーは先日発売されたばかりのモノラルDACなどのESOTERIC Grandioso P1X/D1X
天板は動くそうです。香港オーディオショーでもびっくりされたそうです。
ネジ止めすると、その一部だけに応力が働いて音質にマイナスだからとか。
天板は上の乗せてあるだけだとか。たしかに動きました。
コントロールアンプはC1、パワーアンプはモノラルのM1というダイナミックオーディオ7F川又ルームくらいにしか置いていないトップエンド。
ケーブルはMEXCEL 7N無酸素銅のESOTERICのこれまたトップエンド。
このトータル2600万円あまりの超ハイエンドを、ESOTERICの方もそのルーム音響は無調整で出来たという、地元新聞社が作った防音ホールで聴きました。
キングダム初代にはあまりよいイメージがなかったものですから、キングダムロイヤルは如何に?と思って聴きだしたら、「ああ、ストレスフリーな音響とはこういうことだな!」という音質というものに意識が向かないものでした。
スピーカーの存在は消え失せて、クラシックシンフォニーのグランカッサまで、しっかりとした輪郭と奥の低めに定位しながら、残響は天井からこちらまで回っている様が見えるように聞こえるという万全の音場感。
アビーロードスタジオで、当時のモニタースピーカー、TANNOYランカスターを使ってマスタリングされたピンク・フロイドの狂気から、TIMEの前の効果音が連続する部分では、人が駆け抜ける場面で、左奥から右前に走ってきて息を切らし、再び右前からさらに左前に走り去る3D効果もはっきりです。
まさしく「音の万華鏡」。
ビル・エバンスのワルツフォー。ベースが膨らむこともなく、心配される15インチサブウーハーが遅れたり、膨らんだりといった気配はまるでありません。
ダイアナ・クラールでは、しっかりボーカルの高さが出て、下にベースらとステージ感の音場再生もしっかり出てきました。
ホーンスピーカーでここまでの音場が出たのは何本の指の特例です。
音場はさすがに部屋とルームチューンで厳密に構築した拙宅の方が深さと高さがあるように感じました。
同じように、ここが試聴室であれば、さらに深さと高さ、広がりをルームチューンで深められるだろうと思われます。
箱は鳴らさない、TANNOY社が作る現代ハイエンドスピーカーの実力はここ5年くらいで格段に良くなったESOTERICのプリ・パワーアンプが引き出していたと思われるものでした。
世界第二位、アジア圏ではトップの展示社数と3万人の入場者を誇る香港オーディオショーの主催者がESOTERICの今回のシステム全部を導入したのもわかります。
クラシックなどは生より生々しい。今回の音場感をしっかり再現しながら、ハイエナジーの実体的な音響は残念ながら拙宅の音響レベルでは叶いません。
凄いものを聴かせていただきました。
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