以下音工房Zさんのメルマガからの引用です。実際の音が聴けますので興味深いです。
■2つの部屋の音をヘッドフォンで聞いてみてください
※このメールは以前に配信したものを再編集
して配信しています。見たことのある方は
スルーしてください。
部屋で音が大きく変わるとよくいいますが、
実際にどのくらい変わるのでしょうか?
今日は音工房Z工場内の2つの部屋で生録
した音源をそれぞれ聞いていただきたい
と思います。
PCモニターのスピーカーやスマホの
スピーカーでは違いは分からないと思いま
すので、必ずヘッドフォンかメインのシ
ステムにつないで聞いてください。
この動画は弊社にある2つの部屋で撮影、
録音しております。スピーカーは長岡鉄
男先生のスーパースワンというスピーカー
で40Hzぐらいまでしっかり低音がでるス
ピーカーです。
当然ですがCDプレーヤーとアンプは同じ
もの、音量も全くいじっておりません。
1つめの動画は弊社のリスニングルーム
でこちらの部屋は鉄筋コンクリート作り
の家で、部屋の壁は鉄筋コンクリートと
フレキシブルボードというコンクリートに
近い素材。
20畳程度の部屋。フローリング床でベッド
などはなく非常にライブで気密性の良い部屋です。
https://www.youtube.com/watch?v=S42J2Ni7DIc
もう一つの部屋は工場の2階に増築した木造の狭い
部屋です。この部屋は書庫として使っていますが、
壁は薄く低音は抜けやすい。カーペットが敷いてあり、
部屋に書棚がありかなりデッドな空間です。
https://www.youtube.com/watch?v=dwPctGtPH_s
最初の2秒を聞いただけで低音の量感が全く
違うのが分かると思います。
同じスピーカーシステム、同じアンプ、
プレーヤーでもこれだけ変わるわけですが
これは何故なのでしょうか?
■「部屋の作り」で変わる低音
「部屋の作り」とは具体的には壁、床、天
井の素材が何でできているかということで
す。
この素材によって低音がどこまで抜けるか、
どこまで反射するかが決まります。
例えば壁、床、天井が全て厚さ50センチ
ぐらいのコンクリートで全て囲まれた
部屋の場合、低音はほとんど外に漏れる
ことはないでしょう。
一方、仮設住宅などに使われるプレハブの
ような部屋の場合低音は盛大に外に漏れて
しまうはずです。
建物を構成する素材はいろいろありますが、
どんな素材でも音を「反射」「通過」
「吸音」の要素をもっていまして、
鉄筋コンクリートは音を「反射」する能力
が高い素材になります。
鉄筋コンクリートで床から壁まで全て囲ま
れて外部の音が全く聞こえない部屋は低音
が反射して量感が多く感じます。
木造の家は鉄筋コンクリートに比べると
音が「通過」しやすくなります。そのため
木造の一軒家のように壁も床も木でできた
部屋は低音が外に抜けてしまうので低音量
感が少なく感じます。
一般的には「鉄筋コンクリート」と「木造」
の部屋ですと前者は低音が外に抜けずに残
るため多く聞こえ、後者は低音が抜けやす
いため少なく聞こえやすくなります。
■「アメリカ」と「ヨーロッパ」と「日本」の部屋
昔ヨーロッパのスピーカーとアメリカのス
ピーカーの音作りの比較の記事をどこかで
読んだことがあります。
ヨーロッパは伝統的に家が石やレンガのよ
うに低域がこもりやすい部屋の構造が多い
のでハイ上がりで、低域少なめのチューニ
ングのスピーカーが多く、
アメリカの家は2*4による木造の家が多い
から低域量感が多いスピーカーのチューニ
ングが多いそうです。
これは当然メーカーは意識していなければ
おかしいし、売る国やエリアによって
スピーカーのチューニングを変えている
ことも十分考えられる話だと思います。
「日本はどうか?」
木造の一軒家は低音が抜けやすい部屋が
多いと思います。
特に木造の2階建ての2階部分がリスニン
グルームの場合などです。
スピーカーの裏に布団を入れている押入れ
があったりするとすごく低音量感の少な
い部屋が多いです。
マンションは鉄筋コンクリートのRCの
場合は低域は籠りがちになりそうですが、
実際の家の中の仕切りや壁、床、天井は
石膏ボードで仕切ってあって吸音材も入って
いるのでそこまで低域が大きく膨らむわけ
ではありません。
特性的には木造の一軒家よりは低域はよく
でるほうかと思います。
後々お話する「音量」とも絡んできますが
、日本の住環境は比較的小音量で聞かざ
るを得ない方が多いのも一因と思いますが、
SPの設計はある程度中低音量感の多い
チューニングが好まれるのではと私は思っ
ております。
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