最新の現代ホーンスピーカーの代表格といえば、アヴァンギャルドがあがることは間違いなのではと思います。
写真は先日オーディオ店試聴会で試聴できたUNO XD FINO EDITION Avantgarde社の下から2番目のモデル
http://www.esoteric.jp/products/avantgarde/uno_xd_fino/index.html
能率は何と!107dBです。
例えばホーンスピーカーの代表格JBL社のDD66000エベレストが96dB。
TANNOY社のウエストミンスターロイヤルが99dBと比較するとアヴァンギャルドは恐ろしいほどの効能率です。
試聴会では爆音でも鳴らされましたが、そのときのアンプの出力はせいぜい3W
真空管と組み合わされている例も多いというのもよくわかりました。
では最新ホーンスピーカーの性能は?
オーディオ評論家、傅氏の言葉を借りると、現代スピーカーに求められるのは音像の実在感と音場の両立とされます。
アヴァンギャルドでこれらは?
残念ながら音場が十分に再現できていたとはいえませんでした。
他方の音像の実在感は物凄いものがあります。現代JBLらよりホーン技術でも上でしょう。
やはり放射特性からホーンスピーカーでは音場再現を十分にするのは現代でも難しいのだなあと述懐しながら聴いていました。
この点ではうちのソナス・ファベール/アマティ・トラディションら現代ダイレクトラジエタータイプの方が優秀です。
クラシック録音はもちろん、現代ではロック、ポップスすら三次元情報を自然に、さらには電気的に入れていますね。
優れていると感じたのは、このメーカーの開発方針はまずはミッドホーン部分の開発の部分。
その後にロー部分とハイ部分を開発して、ミッドと合わせていくそうです。
人間の耳はミッドレンジの感度が一番高いとされますね。
レベルは違うのでしょうが、自分の自作ホーンスピーカーの構築もそうでしたし、マルチアンプで鳴らしていたときもそうでした。
耳だけでやってクロスオーバー周波数の選択やレベル合わせで迷うことはありませんで、MJ誌のお宅訪問コーナーで来訪されたライターさんらが、伝送周波数測定をされてフラットでした。
2ウェイ以上のマルチユニットシステムはフルレンジシステムと比較して、LCR素子がネットワークないしチャンネルデバイダーに入ってエネルギーロスするからダメだというフルレンジ派からの昔からのご主張がありますね。
アヴァンギャルドのミッドレンジにはネットワークはなく、直結だそうです。
耳感度が一番高いボーカル帯域にはLCRはないことが素晴らしく、フルレンジ派にはこれではないかというものでした。
まずはユニットの開発でミッドレンジの上下6dB落ちの特性のものを作る。
そうしてホーンのカットオフ周波数も下はホーン自体の形状から12dBとして合わせて18dB落ちとしているそうです。
あの鮮烈な鮮度感はそんなところから来ているのですね。
この点で、ネットワークに頼るJBLやTANNOY社、いや大半の現代マルチウェイスピーカーは古典的です。
どこかでアヴァンギャルドを聴かれてみてください。
有名JAZZ喫茶寺島先生のMEGさんにあるアヴァンギャルドとは音質も性能もかなり向上して、あそこのようなキツイ音はしなくなりました(笑)
音像の実在感重視、ミッドレンジの鮮度感重視という方には一押しの現代ホーンスピーカーでした。
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